
ムッシュ矢田部ノート
いまシャンソンが熱い。
…というタイトルでNHKのニュース番組で今日特集が組まれた。
たとえニッチな熱さであろうと、
注目してもらえるのは有り難い事だ。
日本シャンソン界が誇る
訳詞の大家、矢田部道一氏の
訳詞ノートが紹介された。
私も歌わせて頂いているシャンソンの
訳詞ページも開かれていた。
筆跡が見られるのは感慨深い。
私がシャンパーニュで歌い始めた時には
もうムッシュは故人だった。
ピアニストさんや歌手の先輩方からエピソードを聞くたびに、
お会いしたかったなぁと思う。
それにしても、
番組として訳詞という事に焦点を当てるのは
日本のシャンソンを語る上で欠かせない視点だが、
訳詞を作っても、いいんですか?…という、司会者の質問に、
いいんです、と断言していた担当アナウンサー。
まるで、人の作品を自由に訳していいように聞こえたので、クレームがくるかもしれない。
訳詞をする場合、
原作者の許可がいるはずだから。
しかし、そこを説明すると、
世にある訳詞の全てが許可をとって作られている訳ではない事にも
言及しないとならない。
日本語の名訳が沢山あるからこそ
独自の発展を遂げた日本のシャンソンだが、
ある程度以上メジャーな世界にならないのは、著作権の壁が関係している気がする。