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別れの日(離別式)

今年度は今日で終わり、明日からは新年度が始まる。今日は12年間相談活動を行ってきた地域の中学校での最後の日だった。私は先生ではないけれど、学校の配慮により体育館のステージに上がり、転出・退任される先生方と一緒に離別式で送られることになった。

私は12年同じ地域の小中学校で生徒の話を聴く活動をしてきた。最も付き合いが長かった子たちは小学校1年生から中学校卒業の9年間同じ時間を過ごしてきた。「おはよう、元気?、何かあった?、がんばってるね。」といつも子どもたちのそばで成長を見続けてきた。子どもたちからは、「友達と喧嘩した、失恋した、好きな子ができた、親と喧嘩した、先生むかつく・・・、推しの話。」たわいのない話を重ねてきた。ときには、深刻の話もあり、一緒に怒ったり、泣いたりしながら、子どもたちに寄り添いながら、1番の味方になろうと思いながらの毎日だった。

あと1年、もう1年、あの子が卒業するまでと願いながらずいぶん月日が流れ、今年度で異動となった。ステージの上で席に座り、色々あった12年に思いを馳せていた。

「それでは、先生方に生徒から花束を贈呈します。」というアナウンスが聞こえ、立ち上がると、「花束を持った生徒が大粒の涙をボロボロと流しながら、私のところへ花束を持ってきてくれた。」びっくりするほどの涙に私は泣き笑いしながら、花束とその子の十分過ぎる気持ちを受け止めた。その子には、先日手紙をもらっていた。

「いつも私に寄り添ってくれて相談にのってくれてありがとうございます。」  今まで、「ありがとう」はたくさん言われてきたけど、私はこの「寄り添ってくれて」の言葉がとても嬉しかった。いつも私が子どもたちの相談を聴く活動をする上で、「子どもに寄り添う存在でいたい」と思っていることが、ちゃんと言葉で返ってきたからだ。何よりのプレゼントだった。励ます立場の私が、これからも今まで通り頑張ってねと励まされているようなそんな気がして、全てのことが報われた気がした。想いを言葉にして伝える大切さを教えてくれた彼女は、「先生いないなら、4月からどうしたらいいの。」と大泣きをしていたけど、きっと新学期からは前を向いて強く生きてくれるのではないかと思った。

そしてステージの下を見ると、もう1人の私の戦友が久しぶりに制服を着て見上げていた・・。私の12年間の相談活動の中で一番深く関わっている子。5ヶ月ぶりに制服を着て登校してきてくれた。この話は、また次回に。

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