DNAと遺伝子と生物と

皆様、DNAや遺伝子といった言葉を、一度は聞いたことがありますよね
では、DNAや遺伝子が何であるか、正確に説明できるでしょうか

DNAとは、Deoxyribonucleic acid(デオキシリボ核酸)の略称で、物質の名前です
遺伝子とは、よく「設計図」と表現されますが、体を形作るための「情報」です

DNAは遺伝子という情報を記録しておくための物質ということができます

さて、遺伝子が設計図というと、家の設計図を思い浮かべますよね
DNAの中にどうやってこの設計図が格納されているのか、気になりませんか?
気になりますよね?!
気になるはずですよ!!笑

遺伝子をもう少し正確に表現すると、「体の中でどんなタンパク質をつくるかを決める情報」です
DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)が長く連なることで成り立っており、このうち3つによって1つのアミノ酸が決まります
そしてこのアミノ酸が長く連なってできるのがタンパク質です
アミノ酸が決まれば、どのようなタンパク質になるかが決まるため、遺伝子はこうしてどのようなタンパク質をつくるかを決めているのです

繰り返しになりますが、遺伝子が決めているのはこの、「どのようなタンパク質をつくるか」ということだけです
これでなぜ、遺伝子が体の設計図と呼ばれるのでしょうか

これを理解するためには、タンパク質の役割を知る必要があります
タンパク質の体の中での役割は、大きく以下のような3つがあります

  • 体をつくる

  • 体内の代謝(化学反応)を助ける

  • エネルギー源になる

体をつくるということと、エネルギー源になるということは、なんとなく聞いたことがあるかもしれません
一方、「代謝を助ける」とはどういうことでしょうか

生物の体は物質でできていますから、体内では絶えず化学反応が起こっています
食べたものを消化する反応、紫外線に当たったため皮膚にメラニンをつくる反応、しばらく使わないと判断したため血液中の糖分をグリコーゲンに変える反応・・・
これらの反応を助ける働きをするのが、「酵素」としてのタンパク質です
もう少し乱暴な言い方をすれば、タンパク質がどのような反応を起こすかを決めています

メラニンをつくる反応を助けるタンパク質が少なければ、色白になりますし、血液中の糖分をグリコーゲンに変える反応を助けるタンパク質が多ければ、栄養を体に蓄えやすくなります

このように、タンパク質は間接的に、その生物の体質等を決定していると言えます
もうおわかりでしょうか
このタンパク質を司っているものこそ遺伝子です
これが、遺伝子が設計図たるゆえんです

ちなみに、今かなり簡素化して書きましたが、もちろん生物の体内はもっと複雑です
タンパク質はアミノ酸が連なっただけではその役割を十分に果たすことができず、糖で修飾されたり、適切に折りたたまれたりする必要があります
また、代謝を促進するのはタンパク質だけでなく、RNAという物質も同様の役割をもっています
またRNAは別の、遺伝子をコピーする役割も持っています

生物は非常に奥深いです
今後もこんな内容にも触れていきますね

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