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【ぼく にげちゃうよ】〜何から?|#お気に入り絵本


 自分の読んだ絵本をまたわが子に読み聞かせるとき、何とも言えない不思議な感覚になる。視点が、【子】から【親】に変わるためだ。


 そういった絵本の1つが、ご紹介する


 【ぼく にげちゃうよ】。


 これを読むとき、(大抵膝にのせて絵本を読むことが多かったが、)わが子を温かく抱きしめるような、母性と安らぎを覚えた。




【ぼく にげちゃうよ】


マーガレット・W・ブラウン ぶん
クレメント・ハード え
いわた みみ やく




 話は、表紙に描かれている仔うさぎと母うさぎの会話で進む。




あるところに、こうさぎが いました。あるひ、このこうさぎは いえをでて、どこかへ いってみたくなりました。そこで、かあさんうさぎに いいました。「ぼく にげちゃうよ」

「ぼく にげちゃうよ」


 この言葉をきっかけに、想像の世界で仔うさぎと母うさぎの追いかけっこが始まる。


さかなとりょうしになったり…



ことりと木になったり…



ヨットと風になったり…


空中ぶらんこやつなわたりをしたり…



 さんざん逃げ回って、次は「にんげんのこども」になる!と考えた仔うさぎに、母うさぎは言う。



「おまえが にんげんのこどもになって、おうちににげこんだら、わたしは、おかあさんになって、そのこをつかまえてだきしめますよ」

「ぼく にげちゃうよ」


 仔うさぎは、それならうちにいるのとおんなじだ、と逃げ出すのをやめることにする。


 母うさぎのひとこと。


「さあ、ぼうや にんじんを おあがり」

「ぼく にげちゃうよ」


 ・・・・・

 
 子どもというのは成長すると、親から離れたい、独りで挑戦したい、となるものだろう。


 この絵本は、【自分がいなくなったら?】と親を試してみたい気分も含まれているようだ。


 然し絵本の母うさぎは、ちゃんと分かっている。決して言わないけれど、まだ仔うさぎが

【本当に独りになるのはこわい】

 のだということを。



 独りになるまでの準備を整えるために、今は・・

【いつでも戻ることの出来る場所】


 を求めていることを。




 子どもは突然自立しない。毎日まいにち、芽が出るように成長し、少しずつ自分自身を確立させて、ようやく1つの果実を実らせるものではないだろうか。


 親のサポートも、大切な成長の資源になる。


 親子関係の大切な教訓が、この絵本【ぼく にげちゃうよ】にはあると思った。



 極私的にはこのようにまとめてみて、自分の親への感謝の念がじわじわと湧いてきた。もうふたりとも天へ旅立ったので、直接会話も何も出来ないが・・・


 絵本は子どもの読みもの、と片付けてしまうと本当に勿体ない。絵本はイメージと言葉のマリアージュ。図書館などで、noter様も是非、手に取ってみられることをお勧めしたい。

 


▶Que Song

ねっこ/King Gnu


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