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私の責任〜誤字審査|#毎週ショートショート
たらはかに様のnoteを拝読。
↓ ↓ ↓
ルール&注意事項
・2025.1.18夜までにだいたい410字くらいのショートショートを投稿
・タグに #毎週ショートショートnote #誤字審査 を入れる
・他の方の作品にコメントを入れる(一つで構いません)
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私の責任〜誤字審査
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「私、誤字しませんから」
出来上がった書類にホチキスを止め、きっぱりと彼女は言った。
「何度も読み返すので、いたしません。
字が怪しいと思ったら、すぐ検索で調べられるでしょう?」
まるで間違う人が信じられない、といった強い口調だ。
「そうだね・・・今どきはね。打つ指が滑って、思わず誤字になってしまうかも、しれないけどね」
「―――読み返せば良いんです」
彼女は譲らなかった。
「気持ち悪さに気付かないのは異常です。
書類には、責任がありますから」
「・・・・・」
僕は、口を噤んだ。
❄ ❄ ❄
彼女はいつも完璧だった。派遣で採用された子で、時間内に何でもきちんとこなすから、皆に重宝がられていた。
ただ、彼女は独りだった。
休憩時間も。
ランチタイムも・・・
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2,3人で声をかけ合って社外へお昼に出る前、彼女はまだパソコンに向かっていた。
(また、何かをチェックしているんだろうか・・・?)
気になって、彼女の後ろ姿を見ていると、
「後藤さん?エレベーター来ましたよ」
他の女性社員に言われた。
「ーーーお。行くよ」
エレベーターホールに駆けつけたが、何となく、彼女への心掛りが残っていた。
❄ ❄ ❄
「ふだん、何処でお昼を食べてるの?」
昼の休憩後彼女に訊くと、横目でちらりと冷たく見られた。
「言いたくないです」
「ーーーまさか、トイレとか?」
彼女はチェアを回して僕に向き直った。
「違います」
「まあ、良いけど・・・」
「後藤さん。急ぎの仕事があるので、ごめんなさい」
彼女はまたパソコンの画面に戻り、アンドロイドのように仕事を再開した。
デスクの上には、珍しく彼女の携帯が伏せて置かれていた。
その携帯と透明なカバーの間に挟まれていたのは、
―――ごく幼い男の子を、彼女がトロフィーのように抱き上げている写真だった。
▶Que Song
蜂蜜とミルク/UA
【fin】
#誤字審査
たらはかに様、800字以上なので駄目でしょうか?
よろしければ、拙作ですがご査収よろしくお願いいたします。
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また、次の記事でお会いしましょう!
🌟Iam a little noter.🌟
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