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午睡〈シエスタ〉で見る夢|#シロクマ文芸部

小牧幸助様のnoteを拝読。

↓ ↓ ↓



「夏の雲」
から始まる
小説・詩歌・エッセイなどを
自由に書いてみませんか?

みんなで読み合うお遊び企画です。

締切は8/12(月)23:59
記事には #シロクマ文芸部 をつけてください。

小牧幸助様note


ショートショートで参加させて頂きます。よろしくお願いいたします🙇





午睡シエスタで見る夢



夏の雲がむくむくと立ち昇る日。
貴璃きりは亜熱帯と変わらぬような暑さから逃れ、自宅の静かな寝室へ避難した。


空調をいっぱいに効かせ、一気に部屋を冷やす。


ベッドに倒れ込むと、ワンピースのオレンジの花が広がって咲いた。片手を額に当て、目をつむる。


―――


この時期は、体力がぐっと落ちてしまう。食欲が失くなるせいだろうか。


いつしか貴璃は、部屋が冷えてゆくとともに、うとうとと微睡まどろんでいた・・・








―――白昼の熱気で
私はとけて、蒸気になる。
からだも、こころも・・・


―――蒸気は、青すぎる空へ。


私と同じような女性ひと
街のあちこちに居て、
私と同じように とけて、
蒸気になってる。



―――夏の入道雲は、
私たちを取り込んでゆく。
ますます大きくなる雲。
大きくなって・・・



―――そして、かみなり
―――そして、スコール。




私たちは 雲から
ばら ばら ばら
街へ落ちてく・・・




午睡シエスタで見る夢。
空から女性たちが落ちる映像は、やけに生々しかった。目が覚めて身体を起こすと、少し冷や汗をかいていた。


閉め切った大きな窓の外では、夢と同じく、晴れからにわか雨に変わっていた。


窓硝子の表面に、雨の雫が次から次へと洗うように流れている。


(まるで、夢の女たちが泣いているようだわ・・・)


貴璃は心でつぶやいた。



【fin】


▶Que Song

メロウ/椎名林檎




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また、次の記事でお会いしましょう!



🌟Iam a little noter.🌟



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