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よちよちある記#546『センセイの鞄』

そういえば
最近は読んだ本のことに
一切触れることのないまんま
過ごしてきちゃったな

ブックオフでブラブラと
うろうろしながら
たまたま目に飛び込んできて

裏表紙の紹介文読んで
何だか面白そう

『センセイの鞄』川上弘美

買ってはきたものの
なかなか読むまでに至らず
ようやく読んでみたら

この作家さんの書く
文章のリズムがいい感じ

ーーー以下引用ーーー
数年前に駅前の一杯飲み屋で隣あわせて以来、ちょくちょく往来するようになった。センセイは背筋を反らせ気味にカウンターに座っていた。
「まぐろ納豆。蓮根のきんぴら。塩らっきょう」カウンターに座りざまにわたしが頼むのとほぼ同時に隣の背筋のご老体も、
「塩らっきょ。きんぴら蓮根。まぐろ納豆」と頼んだ。趣味の似たひとだと眺めると、向こうも眺めてきた。どこかでこの顔は、と迷ってるうちに、センセイの方から、「大町ツキコさんですね」と口を開いた。驚いて頷くと、
「ときどきこの店でお見かけしているんですよ、キミのことは」センセイはつづけた。
「はあ」曖昧に答え、わたしはセンセイをさらに眺めた。ていねいになでつけた白髪、折り目正しいワイシャツ、灰色のチョッキ。カウンターの上には一合徳利とさらしくじら一片の載った皿ともずくが僅かに残った鉢が置いてある。さても肴の趣味の合うご老体だと感心しているうちに、高校の教壇に立っていた姿をかすかに思い出した。

ーーー引用おわりーーー

こんなふうにして物語がはじまり
そしてふたりの間に流れる
ゆったりとした日々のあれこれが
紡がれてゆき

酒の肴の描写とか
すごくいい感じで
こんな感じで頼める
馴染みの居酒屋さんを
作りたいなぁ〜って思っちゃう

この作家さんの
他の作品にも当たってみよう
どんな世界観が広がってるのか
楽しめそう

いい作品に出会ったな
ご縁に感謝

今日もいい1日✨

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