ワルシャワ冬日記 初めてのマグロカツ 2025年1月17日
一昨日義父がマグロの切り身を4つ買ってきた。詳しい由来はわからないが、ポーランドでは金曜日はクリスマスイヴのようにちょっとした断食の意味合いで夕食を魚メニューにするのが伝統らしい。今それに従う家庭がどれだけいるのか怪しいところだが、ミルクバーなどの共産主義時代の食堂でも金曜日は必ず魚だったそうだ。ミサは日曜だからやるなら土曜が断食じゃないの?と聞いたら、もしかしたらユダヤ教のミサは土曜日だから、そこと混ざった習慣なのかもしれないと夫が話していた。何一つ定かではない。が、義父は単なる昔からの習慣として、魚料理を金曜日に作ったりする。海上自衛隊のカレーみたいな、と勝手に連想。義母と夫は魚介類が基本好きではないのだが義父は好きなので、魚介OKな私も滞在していることだし食べられるチャンスということで頻度を上げたいのだろう。
日本でマグロの切り身と言ったら柵しか思い浮かばないが、丸太のようにズドンと輪切りにされた切り身が真空パックされていた。色わるっ、というのが第一印象。ステーキにするつもりだけど、日本ではこういうのどう調理するの?と聞かれ、マグロは生で食べたいなぁと思いながら加熱するならステーキもあるしカツみたいにもするよ、と答えた。
義父:カツって、パン粉つけるの?
私:うん、卵つけてパン粉つけて揚げる。
義父:…へぇー。
この会話の数時間後、夫から、義父が4枚あるうちの2枚は自分で調理するから、もう2枚はお前にカツ作ってもらえないかって言ってるんだけどと伝えられ、お、おおう、分かった、作ったことないけど!と慌ててレシピを検索し、たまたま今回義父にプレゼントした塩麹があったのでそれを前夜に塗りたくり仕込みをして本日を迎えた。
レシピ通りに揚げていたら夫から「あ、レアはやめてね、多分両親食べれない」と一言があり、やば、このレシピレアだわ、と思いながら揚げ終わったものをカットしたら、日本では大成功な見た目、義両親には無理、な状態で泣く泣く2度揚げした。もうマグロカツって言ったら中心がほんのり赤い状態のやつという固定概念があったため完全に火を通さないといけないというのが脳内から抜け落ちていた。でもよく考えたら鮮度も微妙だから生食無理だったかもしれない。でもレシピ通りのパサつきを抑えた柔らか食感は失われて、ちょっと悔しい。
義父のグリルマグロはレモンソースの酸味が少々強めで、酸っぱいもの苦手な義母に酸っぱい!と文句を言われていた。私のマグロカツに対しては、うーん、魚は魚だな、というコメントで、魚苦手な人に魚食わしてもまあそういう感想になるよねとみんなで笑った。塩麹のおかげで義父のものよりは気持ちしっとり柔らかめ、ではあった。添えて出したわさびマヨポン酢ソースはみんな無言でダバダバかけていたので気に入られたっぽい。
なんかこう、全会一致でうまい!みたいな反応を得られる料理がしたいです。
夕飯後は義母と夫と3人でショッピングモールに行き、使用済みコーヒーカプセルをリサイクルに出したり、夫の靴を新調したり、目星をつけていたお掃除ロボットの現物を見に行ったり、義母が誘惑に負けてリンドールを4000円分買い込んだりした。
帰宅後はハチワレを膝に乗せて揉みしだくという時間を過ごした。その様子をみなスパと呼ぶ。どうも猫マッサージ師です。最近はマッサージ中に爆睡するようになり、顎を触っていたらどんどん力が抜け手のひらで頭を落ちないように支えないといけなくなって、筋力の限界が試されたりしている。