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ワルシャワ冬日記 らくがき供養の回 2025年1月20日
12月に家へ遊びに行った例のイラストレーターの友達、の奥さんが、義実家から徒歩数分という場所で働いている。友達が自分の描いた作品で今年のカレンダーを作ったのだが一つ買わないかね、と営業があったので注文しており、それが印刷できたというので奥さん経由で受け取ることになった。
今日は久しぶりに晴れている。青い空に透き通った光が地上を照らす、明るい場所と影になった場所のコントラストが素晴らしい。霧とPM2.5で光の筋が見えたりする。綺麗だけどPM……とマフラーで口元を覆った。
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奥さんからカレンダーを受け取り、今日はもう春が始まったみたいな天気だね、冬来なかったね、などとちょっとおしゃべりして別れ、家の近所を散歩する。後ろから追い抜いて行った散歩中の犬の爪の音が小気味よい。道の脇には犬のフン用のゴミ箱がいくつも設置されており、これも良い取り組みだなあと思った。回収して家に持って帰るというハードルが、回収するだけに下がるから道にブツを放置する飼い主減るんじゃなかろうか。
この間来た時には凍っていた池が溶けて、鴨がたくさん浮かんでいた。なんか、ムチッとして肉厚な鴨だな。やっぱ北の動物は気持ちデカくなるんだな、と思いながら頭部の羽毛が玉虫色に反射するのをうっとり眺めていたら、赤いセーターを着た少し小太りなダックスフントと飼い主さんが横にやってきて、鴨たちにパンを投げ始めた。夫がこっそり「あの犬は本来は鴨を獲るやつだよね」と嬉しそうに耳打ちしてきたが、いやダックスフントはアナグマ狩るやつ、鴨はコーイケルホンディエじゃないっけ。と思ったがめんどくさかったので口に出さず心にしまった。
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スーパーに寄っておやつを物色、アフリカンなる馴染みのないのフレーバーが気になったので購入。チャカラカ味、南アフリカの料理らしい。帰宅後開けて一口、うまい。酸味とスパイスの奥深い味わい。うまい。これはうまい。当たり引いた。
夕食までの時間、なんとなく気分が乗ったので、これまでの滞在で印象に残っているものたちのらくがきをしてみることにした。英語ポーランド語の勉強に充てる時間もたくさんあるはずなのだが人間はどうしても怠けてしまうものなのでお絵描きリハビリに走ってしまった。こっちも自分の心を取り戻すために重要ですし、と言い訳する。
以前下の記事で触れた、深夜に花火で騒ぐ若者たちに中指突き立てながら地下鉄駅へ向かっていたお姉さん。
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イラストレーターの友達の家でクリスマス会した時の、猫のぬいぐるみを抱くドレッドヘアの友達の弟、と友達の次女。
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遠くを見ながらやさしーくぬいぐるみの頭をずっと撫でながら会話に参加。
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1ミリも再現できない、プリプリのおでことほっぺ。
日記には書いていなかったが、先週、猫たちを動物病院に連れて行った。その時に受付で出会ったわんこ。おもちゃを口からはなさず、ずっと眉を八の字にしてた。
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この病院では診察の際はペットの名前で呼ばれるのだが王子様という名前の猫がいて、確かに気品があるなと夫と義母とヒソヒソしたり、ひたすら出口に飼い主を引っ張って行こうとするビビりまくっている大型犬を見て受付にいる人みんなで微笑んだり、予約していたのに1時間以上待たされ結構疲れたが和やかな時間でもあった。
タブレットにTayasui Sketchesという無料アプリを入れて描いている。まだ全然機能をわかってない。色をぼかしたい時どうすれば良いんだろう。
しかし、1日に4枚もらくがきできた。10年ぶりくらいじゃないかしら。
描いている間も嫌な気持ちにならずに作業できた。好きなことが苦手になって苦しんでいた身としては結構感動している。描けと背中を押してくれた小説家の友達のおかげか、ニート生活の心の余裕か、何はともあれリハビリ継続したい。