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ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』5話のアウティングについて思うこと

おっパン、
新年明けてすぐ土ドラとして始まりましたが、1話も欠かすことなく見続けております。

さて、5話という折り返しまで来て思うことを徒然と書こうと思います。

今回、本当にこれだけはありがたいと思ったことが
完結している漫画のドラマ化。

昨年、昨昨年くらいから
ちょっと流行ってる漫画の、しかも完結してない作品の、
映画化、実写化増えたなーと思ってました。
私、話題作りに作品が使われるのほんと嫌いなんですよね。

私の幸せな結婚
ミステリという勿れ
凪のお暇
などなど私がずっと漫画として読んでていて大好きだった作品が実写化した途端なんか、なんというか辛くなってた。

今回のセクシー田中さんについては
原作者の芦原妃名子先生に深い深い哀悼の意を示すとともに
自分の作品を我が子のように思っていた作者さんが命懸けで作品を守ったんだと思って、本当に胸が痛いです。


ただ、LINE漫画で連載当初から追っていた
おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか
がドラマ化するということが決定したとき、そして主人公の沖田誠が原田泰造さんだって分かったときはすごく嬉しかったのを覚えています。
矛盾している自覚はあるので異論は認めます。

映像化が商売として疲れてしまう現代の世の中で
おっパンの公式Xは非常に思慮深いと思ったポストを紹介させてください。

素晴らしいと思ったんだよね、この配慮。
「アウティングについて扱うため、つらい思い出をお持ちの方は無理せず、視聴をご検討ください。」

テレビですよ。
視聴率や、今でこそサブスクサイトの再生数とかになるのかもしれないけれど、
数字を扱う番組が非常に素敵な配慮だと思いました。

そして、このポストを見て
アウティングについて調べた人も多かったそう。

ちなみに
Googleでアウティングとだけ検索すると以下の文章がトップに表示されます。

「アウティングとは、人のSOGI(性自認、性的指向)を本人の了承を得ずに他の人に暴露すること。2015年、アウティングをきっかけに男子大学生が校内で自死した事件が起き、その言葉の意味とともに世間の注目を集めた。2020年には、厚生労働省がアウティングをパワハラ行為と定めている。」


今回の最後のシーン。非常にグッと来ました。
第1話に
「ゲイがうつる」とまで言っていたお父さんが、さまざまな人と関わりアップデートをしていく中で、
「人の性別はパンツみたいだな!好きなものを履けばいいし、他人に言う必要も、言われる必要もない」と少しずつ受容し、理解を重ね。
そういった方達の存在や生き方を受け止めたがゆえに発してしまった
「大丈夫、君もゲイなんだろ?」
という言葉。

そして、
それに怒りながらも
親にも言えない、否定されるかもしれない、今まで築いてきたものを失ってしまうかもしれない
という思いを抱えて
「本人たちが辛くて言えないことを、他人がそんな簡単に言うな」
という円先輩の言葉。

そして原田泰造さんの
自分が放った言葉で意図せず深く人を傷つけてしまった
という涙目の演技。

素晴らしかった。
ここのシーン、漫画だと
大地くんと、円先輩と、大地くんママと、お父さんだけだしもっと軽め?に
なんというかあそこまで怒りをぶつけてという感じじゃなかったんだよね。
漫画のその場面は既にカムアウトした人たちだけのシーンだったから、
今回のドラマはドラマオリジナルなのか沖田家の家族もいたから円先輩にとってはツラかったんだろうと推測。

非常にグッと来ました。

(こんな大事なシーンで原作と違ってドラマの身長差尊いとか少しだけ思ってしまいました。すみません🙇‍♀️)


性的嗜好や性自認だけではなくて
個人のプライベートは守られるべきであるし、それを勝手に晒したり吹聴することはいけないことだと色んな人が知って欲しい。

あと、これ男女の恋愛でも本人たちが隠しているのに
手繋いでるの見たよ!付き合ってるの?どこまでしてるのー?
とか色んな人がいる前で聞かれたら嫌じゃない?
それと一緒だよね。


本来「好き」という感情は自由であっていいはず。
変かどうかも自分が決めていいはず。

私アメブロで摂食障害の食べたものとその感情の記録やってた頃、コメントで「普通じゃない」と言われたけど、
さて、普通ってなんでしょうか?
私にとっては
一人前がわからない
食べることが怖い
太ることが怖い
吐きたいと思ってしまう
ことが普通で。

発信してみると
「私も吐いてる」「辛い」「死にたい」
と共感してくれる人も多くて。
ある時20代のランキングで1位になったことあって
晒されるの怖くなって唐突に全部消してやめたんだよね。


話が逸れましたが今回のドラマを見て
「理解する」という行為も、誰かにとっては凶器になり得るということを改めて感じました。

原作漫画の方で
メンズブラをつけている原西くんというキャラがいるんですが
原西くんが「『理解』することの条件が、相手にもブラをつけてもらうことだったらどうするんですか?」と聞いて
お父さんが「それは困るな」と返した時に
「ただ否定しないでいてくれたらそれでいいんですよ」
みたいなことを言ってて(だいぶ端折ってるので気になる方は原作のあなたの知らない世界②をご覧ください。)
その通りだよなぁと納得したことを覚えています。

LGBTQの方たちだけでなくて、障害を持つ方や、摂食障害もそうだけど、
自分と違う存在を理解するということは
否定しないことなんだと思います。

「私は理解あるよ!辛かったよね〜!」
どの口が言ってんの?
って感じです。

何も言わないでいれないの?
というか、無関心でよくない?
人のパンツにそんな興味津々なのむしろやばくない?
と思ってしまう私は逆にその人たちを否定しているのかもしれないので、そこは反省。

昔さ、知り合いの1人が
「オネエの人は男も女も両方の気持ちがわかるから、オカマバーに言ってアドバイスしてもらってるー!せもどう?」と誘われたことがあります。

私の頭の中は「???????」状態で丁寧にお断りしました。

男だから女だからって他人の気持ちなんかわかるかーー!!!!
私今日コンビニですれ違った女の人の気持ち全くわかりませんけど???
一般的な男女の違い、全てそうじゃないけどという前提での話ならわかるけどね。

そこまで言い切るのは怖いなぁと思いました。



さて、テレビドラマの話から相当離れてしまいました。
ただ、唯一やっぱりドラマなんだと思ったのが
4話にオリジナルキャラが出てきたこと。
少し原作よりも性格が変わっていること。
今回のアウティングもそうですがシチュエーションが大きく原作と異なっていること。
この辺だけがどうしてもモヤモヤしてしまう。

しかし、作者様のXや漫画の後書きレポ見ていると
五十嵐大地は中島颯太くんにしかできないし
沖田翔は城くんがピッタリと言っていたし
沖田誠役の原田泰造さんを美父〜!素敵な人に演じてもらって良かったね、誠
って言ってて
原作者とドラマ関係者のすり合わせがしっかりできていて信頼できるドラマです(何目線)。

繰り返しになるけどセクシー田中さんの芦原先生のようなことは2度と起きてほしくないですね。

また来週がとっても楽しみになりました!
素敵なドラマをありがとうございます。

練馬ジム先生のXから1話目が読めます↓