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A Dream Goes On Forever/TODD RUNDGREN

トッド・ラングレンを初めて知ったのはこの曲だった。

当時わたしはネットで出会った「牡羊座の彼」とメールのやりとりをしていた。やりとりをしていたと言っても、忙しい彼はあまりメールを返すことがなく、わたしがほぼ一方的にメールをたくさん送りつけてそれに彼がまとめて返信してくるということがほとんどだった。

たまに返ってくる長いメールが楽しみで、彼に数日おきにメールするのが楽しかった。彼とは笑いのツボも音楽の好みも一緒で、話していて楽しかった。メールの最後にいつも「またメールためるけどごめんな」と書かれていたので、ちょっと残念だったけど待つことができた。

そんな彼が会いたいと電話で言ってきた。あまりに突然のことで驚いたわたしは、まだ早いと言って断った。彼は会うのが無理なら好きな音楽のやりとりをしよう、とカセットテープに好きな曲をいれて交換しようと提案してきた。彼は自分の住所と「テープ待ってるから」と書いたメールを送ってきた。

彼に気に入られたい。その一心で、自分の好きな曲を90分カセットテープに詰め込んだ。

あと2分30秒余ってる。どうしようかと思ったわたしは、最近買ったトッド・ラングレンのアルバムに目を向けた。彼のことを予備知識として知っておこうと思って買ったきり聴かなかった「ザ・シングルズ」という二枚組のアルバムだった。聴いていないのはこれだけだったので、何か気の利いた曲はないかとアルバムを聴いてみた。

その中にこの曲はあった。短いけれど美しい曲だった。分数も2分21秒とちょうどよかった。わたしはテープのB面の最後にこの曲をいれて彼に送った。

数日後、彼からメールが返ってきた。「トッド・ラングレンって聞いたことなかったんだけどいい曲だね」と最後まで聴いてくれたようだった。一週間後、彼からもテープが送られてきてしばらくそのやりとりは続いた。彼にはフラれたけど、その間はとても幸せな時間だった。

『Todd』(1974)収録。5作目のアルバムで、彼のプログレッシブサウンドが光る二枚組のアルバム。わたしは最初この曲を「The Singles」(1988)というアルバムで聴いた。彼の全盛期のシングル曲がたくさん入った日本版のコンピレーションアルバムだが、お買い得だと思う。


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