見出し画像

少し毛色の変わったベトナム戦争映画 <彼にフサフサの髪があったあの頃>


さあ、誰のことざんしょ

 ニコラス・キム・コッポラ。カルフォルニア州ロングビーチで生まれた彼、ニコラス・ケイジはあのフランシス・フォード・コッポラを叔父に持つ。ニコラスは19歳で叔父が監督を努めた「ランブルフィッシュ」で準主役級の役を射止め、話題をさらった。
 その後、コッポラ監督の甥という肩書もはずれ、着実に名優として成長していく。
 

若い頃、歯並びが悪かったね

 めちゃめちゃニコラス・ケイジに嵌った時期があって(←緋海さんは熱しやすくて冷めやすい傾向にあり)初期の作品からほどんどの出演作を観ているが、最近は観ていないなあ。
 てなわけで、彼が若い時に出演した作品で、ひと味違ったベトナム戦争映画を紹介したいと思います。前回の<テルマ&ルイーズ>のような友情の物語でもあって、この作品もラストの描き方で物議を醸した作品であるあたり類似点があるので選んでみました。


 1984年製作の『バーディ』(Birdy)
 この作品で主人公の鳥になりたいバーディを演じるマシュー・モディーンはスタンリー・キューブリック監督作品のベトナム戦争映画「フルメタルジャケット」にも出演しています。

高校生も演じるので💦

 フィラデルフィアの高校に通っているアルは、レスリングチャンピオンになるほどのスポーツ万能で、女の子にもモテモテの生徒。そんなアルが鳥好きのちょっとどころかスゴク変わったバーディと出会う。
 自分にはない豊かな発想力と行動力に魅了されたアルは、バーディと親しくなり楽しい青春時代を謳歌していく。

アルとバーディの出会い


鳥のように飛びたい


 楽しい時間は待ったなしに二人に襲いかかってくる。アルとバーディはベトナムへ兵士として向かうことになった。そこで多くの地獄を目の当たりにして、バーディは精神を病み、アルは肉体的なダメージを負って帰還する。
 若かりし頃のニコラス・ケイジとマシュー・モディーンの演技合戦がひとつの見どころでもあり、友情以上の強い絆を感じさせることのできる静かな反戦映画だと思います。

お互い傷ついて帰ったきた
心を閉ざしてしまったヒナ鳥

 鳥になりたいバーディは、軍の病院施設でヒナ鳥のように薄汚い部屋の隅でうずくまり、言葉を発することもなければ食事をまともに摂ることもできなくなっている。
 ニコラスが演じたアルは、そのような一風変わったバーディをいつも優しく見守っている。楽しかった青春時代の思い出を語り聞かせるアルは、顔の半分以上を失ってしまっている。
 バーディの庇護者であったはずのアルが、元にもどらないバーディに向かって
「お前は俺の一部、お前がいなくては生きていけない」
 と慟哭するようにアルにとってのバーディはただの友達という存在ではなくなっているという心情をその演技力と背景とで、納得させる。
 だから、バーディはアルに対してだけ心を開き、会話も成立する。
 

飛ぶ

 この作品のラストは、前回紹介した<テルマ&ルイーズ>とは違った意味で賛否別れました。
 <テルマ&ルイーズ>はあの形で、こちらの「バーディ」はこのエンディングで良かったのだと、私は妙に納得しています。

WHY? どうした?

って、一緒に考えてみては?

#映画紹介 #ヤバ猫推し映画 #賑やかし帯 #映画感想文

  


いいなと思ったら応援しよう!

緋海書房/ヤバ猫
サポートしてほしいニャ! 無職で色無し状態だニャ~ン😭

この記事が参加している募集