2008年個人的洋楽ベストアルバム16
Twitter上で2月4日から続けてきた2008年洋楽マラソン。約60枚を聴いてお気に入り31枚の感想をツイートした時点でこちらに概要や所感をまとめて終了したいと思います。※こんな感じでやってました↓
今回はTwitter上での反響が大きかったものを洋楽に限定して16位まで並べてみました。反響を数値化した手段は単純に現時点で皆様より頂いた「いいね」の数です(同数の場合はリツイートやコメントの数)。
まあ、所詮は小さな個人アカウントのTL上での出来事。アルバムの歴史的意義・重要性を表す指標!…なんて大げさなものとは全く考えてません。2008年に活躍したアーティスト達の現在における人気投票と言えなくもないよね?ぐらいに捉えてます。1位は…なんとあの方々!
16位 The Mars Volta/The Bedlam In Goliath 46票
メンバーがエルサレムで買ってきたボードゲームの呪いを振り払うために制作されたという嘘のようなエピソードを背景に持つ4th。聴き応えがあるとはこういうのを言うんだろうなっていう迫力と音密度!ジョン・フルシアンテがフル参加。
15位 Foals/Antidotes 46票
オックスフォード出身フォールズの1st。ポストロック(マスロック)の要素を孕んだダンスパンクなどと言われる。加えてアニマル・コレクティブあたりの祝祭的な雰囲気も感じられて難しく考えるのも能天気に踊るのも両方楽しめる珍しい音楽かと!
14位 Bon Iver/For Emma, Forever Ago 47票
無名時代、田舎のキャビンで病気療養中のジャスティン・ヴァーノンが簡素な機材を使って制作した素朴で透明度の高い美しい作品。多分これがなければテイラー・スウィフトのfolkloreもevermoreも生まれてないか違う形だったんだろうなあ…
13位 Elbow/The Seldom Seen Kid 47票
マンチェスター北部ベリーで結成されたエルボーの4thにしてマーキュリー賞受賞作品。多彩な曲を取り揃えたじっくり落ち着いて聴ける大人のアルバム。味わい深いなあ。これは知らなかったなあ…
12位 The Last Shadow Puppets/The Age Of The Understatement 48票
アクモンのアレックスとラスカルズのマイルズによる「副業」。大仰なボーカル・リヴァーブとストリングスアレンジはセンス抜群。アクモンの最新作「The Car」はどちらかというとこちらとの地続き感が強い?
11位 Santigold/Santigold 51票
人種・ジェンダーのイメージを裏切りソウル/R&B要素が殆ど感じられないニューウェーブ、エレクトロ、ダブ、レゲエ要素強めの内容。同時期に活躍したM.I.A.ほど無機質な印象はない。カッコよくロックしてて結構繰り返し聴いてしまった!
10位 Adele/19 51票
あのアデルの1st。アルバムタイトルはリリースと制作時の年齢を冠したもの。僕のように後追いしてる人間に覆面ジャケットで聴かせたら曲によっては「レコードコレクターズの70年代女性SSW特集に入っているやつだよ」って騙せちゃうかも。こんなにブルーアイドソウル系とは思わなかったな。良いです!
9位 Deerhunter /Microcastle 53票
アトランタ出身ディアハンターの出世作。いわゆるドリームポップに分類される音楽ではないけど超ドリーミー。眠そうで不穏なイメージのジャケが内容と見事にマッチしている。全編いいけど特に後半4曲の流れが秀逸。夢の続きが見たくてまたリピート!
8位 M83/Saturdays = Youth 54票
フレンチ・エレクトロ・シューゲイザーM83の傑作と称される一枚。シューゲイザーというよりは「’80sポップに彩られた甘く切ない青春の煌めき」といったニュアンスをより強く感じる。Kim & Jessie”と“Graveyard Girl”は極上ポップチューン!
7位 Beck/Modern Guilt 62票
「Mutations」「Sea Change」路線の内省的で静かめの作品。プロデューサーは「The Grey Album」で名を馳せたGnarls Barkleyのデンジャー・マウス。弾けたムードはないがザラザラした音色で静かにフツフツと燃えているような、ジャケットのアートワークの色彩どおりの佳作。
6位 Portishead/Third 68票
長い活動休止期間を経て11年ぶりに発表された3rd。クラウトロックの影響を受けつつ引き算の極致みたいなプロダクトと不協和音に満ちた、まあ一言で言うと凄いアルバム!聴き進めるにつれ深い淵の底に落ちていくかのような感覚に包まれる…だがそこがいい!
5位 Primal Scream/Beautiful Future 73票
ボビー・ギレスピーが本作を説明して言う「砂糖でコーティングした銃弾」を体現するかのようにシニカルな歌詞を包む80年代ポップス風のプロダクション。そしてそれをさらに外側から包む不気味な赤いジャケット…プライマルの変化を追うのは今回も楽しい。
4位 Vampire Weekend/Vampire Weekend 80票
コロンビア大学の学生達で結成したヴァンパイア・ウィークエンドの1st。もはやロックというよりは甘酸っぱくて捻りの効いたポップ・ミュージック。管楽器の取り入れ方なども気が利いていてアニマル・コレクティブより分かりやすい。…ここまで聴いてきたゼロ年代の洋楽「ロック」の個人的なイメージをすっっごく乱暴に言うと年代前半のガレージロックと後半のこういうUSインディに大別されるのかなって気がしててこれは後者の代表作の一つなんだろうなぁ…
3位 Cajun Dance Party/The Colourful Life 85票
10代のメンバーで構成されたロンドンの5人組。本作のみで解散。その事実を知った上で聴くととても切ない。本来はそんな事は切り離して純粋に音楽を評価すべきなんだろうが過去作は背景も含めて味わった方がより楽しめると最近悟った!…にしてもAmylase→The Fireworks →Buttercupsの流れは最高ですね!特にAmylase はジャンルは違えどフレーミング・リップスの名曲Race For The Prizeのような趣きを感じます。
主要メンバーが結成したヤックが2011年に発表したアルバムも然るべきタイミングで聴いてみたいと思います。
2位 Coldplay/Viva La Vida or Death and All His Friends 94票
世界中で大ヒットした4th。
ロキ○ン2位なのにスヌ○ザ○では圏外、海外メディアの評価も割れてる。で、出来るだけ先入観を排除して聴いてみたけど…全然悪くない…キラーチューンはあるし 2部構成の曲とかあって攻めてるし「後追い鑑賞はフラットな気持ちで自分の感性を信じて行うべし」…と今回もまた肝に銘じたのでした。
1位 Oasis/Dig Out Your Soul 115票
現時点でラストアルバムの7th。「アンセム製造機」としての役割から降りてサイケ路線に向かおうとしていたんだとか。でもね、超アンセミックな曲が2,3曲入ったオアシスのアルバムってその曲のときだけ何となく身構えちゃってトータルで味わいにくいってところがないですか?個人的にはそう感じてて本作はいい意味で均質感があってそれでいて1曲1曲丁寧に作られている感じが好きで「アルバムとして」何周も聴いちゃってます。
所感(思ったこと)
2008年は、現在は存在しない若いバンドの1stが高く評価されるなど潮目が変わったことを強く意識させられる年でした。2007年ニューレイブ→2008年ニューエキセントリックなんて文章もよく目にしました。
個人的には正直ニューエキセントリックはあまりピンとこなかったかも…そもそも範囲が分かりにくいしリアタイで体験してないと普遍性が感じにくいというか…
そんな中、ピカ〜と光り輝いてるように思えたのがケイジャン・ダンス・パーティーでした。10代ゆえの悩み、脆さ、瑞々しさ、そんなものを全てパッケージする夏の終わりのような萎れたヒマワリのジャケットが切なくて…
…にしても一番多く「いいね」を頂けたのはオアシスで、次点がコールドプレイだというね…なんだかんだ言って普遍性や大衆性が強みを発揮。幅広い層から支持されてジャケットを見て反射的にいいねして下さった方も多かったのではないでしょうか。
31枚すべての画像は以下のとおりです。タップすると拡大して見られます。
Twitter上でお薦めやいいねやコメントを寄せて頂いた皆様、本当にありがとうございました!すべてに感想を書けなくて申し訳ありません🙇
以上、最後までお読み頂き本当にありがとうございました!
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