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いじめ防止対策推進法重大事態ガイドライン改定案について話してみた(7/25実施)

こんにちは、瀬尾りおです。

今回はこちら、いじめ防止対策推進法におけるいじめの重大事態の調査に対するガイドラインの改訂案を見て、「ここおかしいんじゃない?」と思える部分、つっこみどころについてまとめてみました。

読んだ資料は下記です。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000276980

今回はこの資料の第5章までを読んでのつっこみどころを載せます。


冒頭部分

P2
本ガイドラインに頻出の用語の定義
○ 対象児童生徒・・・・・“いじめにより重大な被害が生じた”疑い又は“いじめにより不登校を余儀なくされている”疑いがある児童生徒
○ 関係児童生徒・・・・・いじめを行った疑いのある児童生徒その他当該重大事態に何らか の関わりのある児童生徒

<つっこみどころ>
いじめの被害者と加害者という言葉がなくなったことで本ガイドラインの理解を阻んでいる。


第2章

P6
第1節3つ目の⚫︎
⚫︎また、学校いじめ防止基本方針については、入学時・各年度の開始時に児童生徒、保護者、関係機関等に説明することも必要である。

<つっこみどころ>
入学時各年度の最初に保護者や生徒にいじめ防止基本方針を説明するのが必要であるとされているが、①誰がそれを行っているかをチェックするのか、②十分に説明できているものなのか、の2点のチェックを誰がするのか明確にすべきだ。
また、これを道徳の授業などで授業に取り入れるべきだ。


P6
第1節4つ目の⚫︎
⚫︎法第22条に基づいて、全ての学校に設置される学校いじめ対策組織は、法第23条第2項に基づき、いじめの疑いがある場合の調査等を行う組織であり、重大事態の申立てがあった場合の確認等を行う役割もあることから、平時から実効的な組織体制を構築する必要がある。

<つっこみどころ>
22条の組織が平時から動いていたら重大事態になる数が減り大変良いはずだが、平時から22条に定める組織が組織されているかを誰がチェックするかが書かれていない。教育委員会が都度ごとに確認すべき。ガイドラインに書かれていても現場がやらなければ意味がない。実行可能性を確実にする提言が抜けている。


P8
第2節5つ目の⚫︎
⚫︎教育委員会は、法第14条第3項に基づいて設置される附属機関を重大事態調査を行うための 組織とすることも考えられる。

<つっこみどころ>
14条が定める組織の中立公平性は、また専門性は、今の文言では確保されない。14条の組織が重大事態の調査にもあたることになってしまうのは公平性の確保の観点から危険。

第3章

P10
第2節5つ目の⚫︎
⚫︎重大事態調査の対応と並行してこれらの取組を行う必要があるが、迅速かつ適切な対応をとるためには、当該重大事態に対する校内体制を、重大事態調査の実施やその対応を行うチームと児童生徒への必要な指導及び支援を行うチームの2チームに分けて対応するなど同時並行で対処できる体制構築が求められる。また、同時に複数の重大事態が発生した学校や小規模校等では、対応に当たって困難を伴うことが考えられるため、このような場合には、学校の設置者も積極的に支援に入り、体制を整えることが必要である。

<つっこみどころ>
2チームに分けて対応するのは学校にかかる負担が大きく実質的に実現不可能ではないか。成功例である大阪府寝屋川市の危機管理監査課の方式を真似て、調査は別組織に依頼すべきだ。


第4章

P13
第1節(1)4つ目の⚫︎
⚫︎不登校重大事態については、不登校の定義を踏まえ、年間30日の欠席を目安とするが、児童生徒が一定期間、連続して欠席しており、その要因としていじめが考えられるような場合には、学校は、欠席期間が30日に到達する前から設置者に報告・相談し、情報共有を図るとともに、重大事態に該当するか否かの判断を学校が行う場合は、よく設置者と協議したりするなど、丁寧に対応することが必要である。

<つっこみどころ>
「重大事態に該当するか否かの判断を学校が行う場合は」この一文が不要。なぜなら重大事態の判断基準が明示されていれば改めて学校が判断する必要がないため。


第5章

P16
第5章のポイント①
学校の設置者及び学校は、重大事態が発生した際は、地方公共団体の長等まで重大事態が 発生した旨を報告しなければならない。

<つっこみどころ>
レポートラインがおかしい。いじめ重大事態の発生の報告は自治体の長までなのに、重大事態の調査の開始の報告は文科省なのは同じ一つの問題を取り扱っているのに差がある。最初から文科省に報告すべき。


P16
第1節(1)3つめの⚫︎
この対応が行われない場合、法に違反するばかりでなく、地方公共団体等における学校の設置者及び学校に対する指導・助言、支援等の対応に遅れを生じさせることとなる。

<つっこみどころ>
法に違反することに触れているが触れた場合の処罰の言及がない。文言はいいが文言を守らせるための具体的方策が無いため、強制力がない。支援の内容を具体的に明記すべき。例えば加害者指導等加害者への具体的対処をここに書くべき。加えて加害者指導の担当者・担当組織を明記するなどが必要。被害者支援についても同様。


P17
第1節(2)1つ目の⚫︎
<地方公共団体の長等へ報告を行う事由>
① 学校名
② 対象児童生徒の氏名、学年等
③ 報告時点における対象児童生徒の状況(いじめや重大な被害の内容、訴えの内容等)

<つっこみどころ>
対象児童生徒の名前だけでなく関係児童生徒の名前も報告すべき。調査の実態がわかりにくくなる。



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