今日の読書6/3

今日読んだのは、宮部みゆきさんの「昨日がなければ明日もない」です。
※ネタバレあります

俗に言う杉村シリーズです

宮部みゆきさんの、探偵もの。
杉村はバツイチで、元奥さんのところに愛娘を愛する探偵です。細々と稼業を営んでいます。頭は切れますが、人の良さと押しの弱さで若干頼りなく感じます。
冷静な切れる頭と人を大切にする温かい心を持つ探偵杉村だからこそ、捜査をする中で、次々と人々の奥底にある悲しさや優しさに気がついていきます。

捜査する杉村と一緒に、少しずつ明かされる人々の隠された想いを知っていくのは、時に楽しく時に心が痛みます。
それこそが、この作品の醍醐味でした。

完全にネタバレですが、今回は3つの事件(中編が3つで構成されています)どれも、未然で防げませんでした。

そのことに対する負い目や、悲しみ怒りを、杉村はひっそりと自分の胸にしまい込み、これからも生きていきます。
優しい優しいハードボイルドな作品でした。

このシリーズ最初から読み直したくなりました。