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短歌エッセイ

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短歌を交えたエッセイ。自作短歌を深掘りしたり、日々の暮らしにおける思いに短歌を落とし込んだり等、様々。
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2021年6月の記事一覧

【短歌エッセイ】未来に咲く花

職場への退職の知らせ 「次へと進む歩み」という記事に記したように、私は現在の職を今月末で辞することとなった。  私の契約を更新しないと決めた部長からは、有休消化に動いて良しと言われていたが、そのためには、同じ課の上役や同僚には、退職することになったという話をしないわけにはいかない。  まずは負担をかけることになってしまう同僚から伝えようと思った。しかし、自分の仕事だけに強いこだわりを持ち、歪んだ憤りから大人げなく私を無視し会話を拒み続けているC君に伝えるのは、非常に気が重かっ

【短歌エッセイ】クールビズの昨今とライフスタイル

  「汗だくの 長袖背広に 顔しかめ 炎天下行く サラリーマンら」  これは、2004年7月に作った短歌だ。  暑いにも関わらず、暑さを助長する格好をしなければならないサラリーマンの悲哀と、社会常識とされているものの矛盾を指摘する作品になっている。  この翌年である2005年から、クールビスというものが始まった。室温28℃で過ごせる軽装や取り組みを促すライフスタイルのことだ。  それまで季節に関係なく、ネクタイをしてスーツのジャケットを着て過ごすのが当たり前だった主に社会