ガラスのハートにキッスして  鬼りんご


(各行末を明示するため、すべての行の行末にスラッシュを入れています。)


ガラスのハートにキッスして


踏み砕いてよ ガラスのハートを/

銀の偽装の鉄のかかとに 全憎しみの体重を/
もっと もっと ハイ!もっときつくかけて/
細かく尖った玻璃の破片があなたの瞳をぎしぎし傷め/
ざくざく刺さるあなたのハートは/
あなたのハートは何でできてる?/
わたしのハートはガラスです/

あなたのハートは何ですか?/
あなたのハートはほんとにあるの?/
ほら 頑固なヒールを軋らせて 踏んでよぎちぎちガラスのハート/
粒粒に 細かく砕けばその正体が見えるでしょ/
どんなにそれが砕かれたか/
どんなにそれがガラスなのか/
どんなにそれが尖ってしまうか/
どんなにそれがきらめき泣くか/

ああ会いたいなあの日の海に/
頬ずりしたいな あの日の腕に/
あなたのハートの波打際で/
わたしのハートは潮風だった/
渚まるごとガラスの中で/

ねえ 踏みつけてよ ガラスのハートを/
砕けた破片でケガするかもね/
これみよがしに 全身から粒粒の血を噴き出さないで/
ハートがあるなら血まみれにすれば?/
ハートは誰も気にしないわよ/
直進 散乱 屈折 反射 ダンスプリズムrock’n’roll/
わたしのハートは ほら ガラスです/

(「こどもだま詩宣言」対応 原文は行末スラッシュ無し)





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