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誰もあなたの夢の強さを知らない
学生の頃は、気恥ずかしくて小説家の夢を誰かに語ることはありませんでした。
たまに仲良くなった人には、小説家になりたいと告白することもありました。
反応は人によって様々ですが、「小説家なんてなれないと思うよ」と言われることが何回かありました。社会をちょっと知っている人がそう諭す人が多かったですね。
20年以上働いた会社を辞めて、僕は小説家を目指すことにしました。そのときは、親戚の人に「バカなことをした」と言われました。まあ、これは同意です。長く勤めて、そこそこ満足な暮らしをしていたのに、宝くじの一等を狙うようなことをするべきじゃないというのは真っ当な社会人の考えです。
でも、学生時代の僕に「小説家なんてなれない」と言った人も親戚の人も、社会の仕組みと世知辛さについて知っていたと思いますが、小説について詳しいわけではありません。少なくても、僕の方が小説を読んでいたでしょうし、小説業界についても知っていたと思います。
たとえ彼らが小説について詳しくても僕の小説家になる夢について僕よりも深く知っているわけはありません。僕の夢は僕だけのもので、どんなに言葉を尽くして説明しても、十全に理解されることはないでしょう。
なにが言いたいかというと、あなたの夢について一番詳しい人はあなただということです。夢について語るとき、いろいろな人がいろいろなことを言います。ネガティブな意見を言ってくる人もいます。多くの人は悪意があるわけではなく、親切に言っていると思いますし、あなたよりも社会やお金について詳しいかもしれません。
他人の意見を参考にすることは大事だし、自分が知らない知識を吸収する姿勢は必要です。
ただ、最後に決めるのはあなた自身です。あなたの夢について誰も責任をとってくれません。
夢が叶うかどうかわかりませんし、夢のせいで人生を損なうこともあるかもしれません。夢を捨てても、夢に賭けても、いずれを選択しても後悔はなくならないでしょう。
それでも、自分で決断したと思えることが大切だと思います。
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