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小説執筆前に詳細なプロットを作るメリット
詳細なプロットを作りました。
今までのプロットは箇条書きでしたが、今回初めて全シーンを書き出すプロットを作成しました。
過去の作品で詳細なプロットを作ってこなかったのは、プロットを細かく設定してしまうと、執筆の際にプロットをなぞることに集中してしまい、物語が広がらないと思っていたからです。
ただ、箇条書きだけだと、書いている途中に物語の矛盾にぶつかり筆が止まることが度々ありました。
また、細かい伏線までは記載していないので、書きながら考えて伏線を張っていくことになります。
途中で考えながら書くので、当然時間はかかります。
そういった課題を克服するために、今回は詳細なプロットに挑戦してみました。
まずは、Excelの表を使いました。横軸に、「伏線」を並べ、縦軸に各シーンを書いていきました。
そうすることで、どのシーンでどの伏線を回収するかが明確になります。伏線回収までに時間がかかっているようなら(伏線の項目に空白が続く場合)、途中のシーンで伏線の存在を匂わせて、読者に忘れさせないようにすることができます。
物語に起伏が少ない箇所は、シーンを入れ替えたり、新たなシーンを追加したりしました。
Excelの表なので全体を俯瞰しやすく、船の設計図を書くようにプロットを構築できました。
詳細なプロットを作ることで、物語が縮こまってしまうことが心配でしたが、杞憂でした。
いざプロットに沿って書きはじめると、今までと同じように登場人物は生き生きと動き出し、考えていなかった台詞を喋ってくれました。
今までよりも良かったのは、シーンごとに書かなければいけないことが明確になっているので、登場人物が意図せず動き回っても着地する場所に誘導することができ、筆がスムーズに進みます。
今のところ詳細なプロットは良いことばかりですが、本当の良し悪しは作品の完成度で決まります。
書きやすかったが、出来上がった作品が想定よりも小さくなってしまうようでは意味がありません。
ただ、作品のゴールが明らかなので、物語が途中で破綻しないと思えることで、安心して書けるのは精神衛生上は良いですね。
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