今年の春ドラマと春アニメは合わせて101作品。物語が溢れ過ぎている理由
4月から新しいドラマやアニメが、たくさんはじまっています。最近はこの数がとんでもなく多い印象です。印象だけではなく、事実らしく、調べると春ドラマは61作、春アニメは40作あるそうです。合計101作。4ヶ月に一度100作以上の物語がスタートしているわけです。
この春だけが特別ではなく、多作はここ数年の傾向です。さすがにこれらを全部観ている人はいないでしょう。
この101作全てに物語があります。小説や漫画の原作があるものもあれば、オリジナル脚本もあります。あまりに数が多いので、原作も足りなくなっていて、それほどヒットしていない小説や漫画もドラマ化・アニメ化される傾向が強まっています。
漫画では完結していないのにドラマ化されるケースも一般化してきました。
以前は、こんなに新作が公開されることはありませんでした。どうして増えたのでしょうか。
ひとつの理由は、テレビ放送以外の収入が増えたからだそうです。アニメは地上波での放送と同時にAmazon Prime Videoなどでネット配信されるのが一般的になっています。ドラマにはTVerによる見逃し配信もあります。ヒットすれば映画になり、以前よりボリュームが減ったとはいえBlu-rayなどの媒体もファンが買ってくれます。配信サービスでは放送終了後も観てもらえます。
また、最近ではコンテンツ関連のグッズを求める推しも増えてきました。
テレビ放送は最初のトリガーであり、その後の二次利用(原作からすると三次利用?)の収益が大きいようです。
地上波の衰退が叫ばれて久しく、ネット全盛の時代に、テレビ受像機の前に時間通りに座って観る地上波のお客さんを増やすのは難しいと思いますが、地上波の影響力はまだまだ大きいです。
地上波に乗せて物語を広めて、それ以外のメディアや物販に繋げることは、生き残り戦略としてありかなと思います。
これは、地上波テレビと同様に市場が縮小している出版業界でも同じ取り組みができます(というか、すでに行われています)。
他の物語芸術より制作コストが安い小説は、物語を広めるコアとしての役割を担えると以前に書きましたが、ドラマやアニメが増えることは、小説にとっても良いことのように思います。小説が原作になる確率が高まりますからね。
ドラマやアニメの原作になれば、小説にも注目が集まります。
もちろん、ドラマやアニメの原作になることが主眼ではなく、小説として面白いことが最も大事で、面白くなければ原作にもなり得ません。
どんなにドラマやアニメになる小説が増えても、小説家ができることは、面白い物語を紡ぐことに変わりはないと思います。
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