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作家が年齢を公開するメリット・デメリット

本日「夏のピルグリム」の取材がありました。
僕は正確な年齢を言及していませんが、メディアで顔出しをしているし、経歴も話しているので、年齢を公開しているようなものです。

メディアからインタビューを受ける際に顔バレするかどうか少し考えました。別に顔を晒すのに抵抗はありません。会社員時代も広告やメディアで顔を出していましたから。
だけど、小説家として顔出しも歳バレもしていませんでした。顔出しした方が記事のインパクトが大きいですよ、と記者と編集者の方に言われて、承諾しました。

懸念したのは、顔バレすることではなく、作家が誰かがわかってしまうことで、読者の方に不要な情報を伝えてしまうことです。小説に余計な”色”がつくのを恐れていました。
最初に出版したのは「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」で、高校生の男女が主人公の恋愛ミステリーです。おっさんが書いていることがわかると、ちょっと嫌だと思う方もいるのかなと思った次第です。
7月18日刊行の「夏のピルグリム」は、中学生女子が主人公です。高校生が主人公の「ふたりの余命」よりも、さらに年齢差が広がっています。
登場人物と、それを描いている作者の年齢が離れていると、リアルな描写できないんじゃないかと不安に思う人もいるかもしれません。そういう読者にとって作者の年齢はいらない情報なのかとも思います。

とは言っても、僕が小説を読むときに作者が何歳か気にしたことはありませんし、何歳だとしても作品の評価を左右することはありません。
児童文学の多くは大人が書いています。年齢がどうとか言うのも古いでしょう。

こんなおっさんが書いているとは思わなかった、と読者の方から言われたこともないですし、歳バレしても悪影響はそんなにないのかなと思います。
年齢を晒すリスクよりも、少しでも本を知ってもらうことのほうが重要だと考えて、顔出し、歳バレするようにしました。
今回の取材でも、顔を晒しています。

周りの人に作家だと知られると困っちゃう人は顔出しして、歳バレする必要はないと思います。各々の作家がご自身の状況と、顔出しするメリットを鑑みて判断すれば良いと思います。

著者初の単行本形式の小説「夏のピルグリム」がポプラ社より発売中です。「ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作です。よろしかったら書店で手に取ってみてください。善い物語です!


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