BL小説『白い蜥蜴と黒い宝石』第7話
【温もり】
目が覚めるとクロは見知らぬ廊下を進んでいた。
まだ感じる浮遊間に体を見ると、先ほどの男に横抱きにされて運ばれている。
「え?は、ちょ、何これ」
「目が覚めたか」
男はクロを一瞥すると視線を前へ戻す。
すれ違う人たちが「長、おかえり」「おかえりなさい」と声をかけてくる。全員白の人だ。
「ここは………」
「ここはお前達が敵対している白の人の里だ」
男は重要なことをサラッと言ってのける。
「え?敵対って。なんで俺がそんなとこにいるんだよ!てか、おろせ!」