2012カンクンの旅#3|青いコスメル島とオレンジ色のサボテンの話|Travelogue
トゥルム遺跡は海がきれいだった。そしてイグアナが幅を利かせていた。感想終わり。
次いで向かったのはプラヤデルカルメン Playa del Carmenというところ。コスメル島に渡るフェリーが発着する。フェリー乗り場はショッピングモールみたいな店舗構成で、周辺は観光客でにぎわう繁華街だ。特にキンタアベニーダはおしゃれな通りで、品のいいグァヤベーラ(メキシコ風開襟シャツ)をみつけて、買おうか買うまいか最後まで悩んだが買わなかった。
コスメル島では再び日本人宿に泊まることにする。というのも、当時世界一周ブログを公開していた△△さんっていう人がいて(ゴメン名前忘れたし、いまはググっても出てこない)、この宿を拠点としてコスメル島で充実した釣りの記事をあげていたから、いい情報に出会えるかなと思ったもので。でも、釣りには明るくないオーナーは当人のことは覚えていても、彼がどこでどんな釣りをしてたのかなんて知る由もないのであった。
この宿も長期旅行中の若いバックパッカーが何人も寝泊まりしていて、空き時間にはノートPCで引きも切らず情報発信している感じでしたね。今日来て明後日帰るようなボッチおじさんには興味があろうはずもなく、「いや釣り旅でね」なんて話しても会話は続かないんですが、一人だけ「パッキングが上手ですね」と声をかけてくれて、しばし談笑した。
当時は25㍑のドイターのバックパックに短いロッドケースを括りつけ、大事なものはワンショルダーバッグを前掛けしていた感じだったので、釣り道具一式を入れてるわりには確かにコンパクトだった。単に着替えが少なかった=小汚かった、だけとも言うが。
それでも港のそばでバージャックを釣ったり、レンタサイクルで遠征して漁師の船を時間貸ししてもらい、例のフエダイ系を釣ったりして、まあまあ楽しめた。
コスメルの海はさすがに美しかった。沖縄の海と比べても青のグラデーションがひとつ多いような印象で、とにかく見た目は文句なしだった。
だけど潜ってみるとサンゴなんて見当たらず、砂地に点在する岩にカイメン類が張りついているだけの生命感に乏しい海だった。まあ2ヵ所でしかシュノーケリングしていないが、それでも総合力では沖縄の海に軍配が上がると断言できる。こんな見ても潜っても楽しい海で、夏の週末は日がな遊べちゃうことを改めて神に感謝します。
番外編
メキシコつながりで、2006年ドイツワールドカップの頃にバハカリフォルニアをバス旅したこともざっとおさらいしておこう。
この旅は、ロスの空港からサンディエゴを経由してバスで国境を超え、国道1号沿いにティファナ Tijuana〜エンセナダ Ensenadaと徐々に南下していき、最後は州都のラパス La Pazに着いて飛行機で引き返すという行程だった。サボテンを見ない日はない乾燥した旅だった。
このときの写真はない。パソコンがクラッシュしてデータ救出ができなかったためだ。当時使っていたデジカメはソニーの Cyber shot DSC-U10っていうやつで、とにかく小さい。露出補正とかないけど夕焼けがきれいに撮れるなどの理由で、なよなよしたボディ色だったがかなり気に入っていた。ハシラサボテンっていうのがまたオレンジの夕暮れによく映えるのだ。
ティファナの安宿で酔っぱらいにドアをどんどん叩かれ怖かったこと、エンセナーダの街をひたすら歩き回ったこと、ルート沿いの安宿に早めにチェックインして下のバーで日本代表戦を観戦したこと、ロレトというカリフォルニア湾側の街で海産物のチート食いをしたこと、どこの区間か忘れたけどピックアップトラックの荷台に載せてもらったことなど。グーグルマップをみながら思い出せるのはその程度だ。
ラパスでは街ブラの他にも、ホエールウォッチングやレンタルカヤックを楽しんだ。鯨のほうはもはや忘却の彼方だが、岩場に海鳥の白いフンが彩りを添えるだけで、茶色以外ほんとに何もないラパス近郊の島の風景がやけに焼き付いている。
カヤックのほうは、ラパスからバスで少し走った(たぶん)ピチリングェ Pichilingueの埠頭でレンタルし、かなりの距離を漕いで、岬を越えて誰もいない白砂の入江までを往復した。裸眼での素潜りで無数にいたシラヒゲウニのようなウニをとり、殻を割ってむき身を食べた。このときはまだ釣り竿は旅道具の一部ではなかったのだが、もし持っていたらどんな魚が釣れただろうかと夢想してしまうね。
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