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キャプテン・フューチャーに続くのは君だ!|彼方のアストラ|Review

『彼方のアストラ』
篠原健太原作、安藤正臣監督、全12話、2019年
レビュー2022.12.04/アニメ★★★★☆

まずウィキペディアからストーリーを引用するよ。

西暦2063年、「大自然の中、生徒だけで5日間を過ごす」という惑星キャンプの目的地である惑星マクパで、ケアード高校の生徒たちが遭難する。謎の球体により宇宙空間に投げ出された生徒たちは、運良く宇宙船を発見して航行エネルギーは確保できたものの、自分たちが5012光年も離れた距離に居て、しかも食料などが3日分しかなく帰還不能…という絶望的状況に置かれる。
しかし、5012光年の彼方から「食料を補給しながら5つの星を渡って帰還する」という方法を考えだした主人公たちは、メンバー全員が協力しながら様々な苦難を乗り越えていく。そして、遭難事故を起こした犯人を見つけ、それを命じた黒幕を突き止める。無事に帰還したメンバー達は、遭難事故の裏にある陰謀をマスコミを通じて暴き、メンバーそれぞれが人間的に成長を果たす。

フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)より

漫画が原作だが、ボクはアニメ版のこの作品に出会った。基本的にはサバイバルもので、宇宙船にまぎれこんだ犯人を探すという謎解き要素もある。だけど、スペースオペラ好きのボクが気になるのは、描写するシーンは決して多くはないけれど、クルーが訪れる惑星の地形や気象、生態系などのプロットだ。

第1の惑星ヴィラヴァースは、巨大な動植物が特徴的。恐竜みたいな鳥が空を飛び交う。
第2の惑星シャムーアは苔とキノコの星で、クルーは「ポールツリー」という名の背の高い毒キノコに苦しめられる。
第3の惑星アリスペードは惑星のほとんどが海。地震と巨大津波がクルーを襲う。
第4の惑星イクリスは自転周期と公転周期が同じで、灼熱と極寒の間がなんとかハビタブルゾーン。移動能力を持ち巨大化した食虫植物が地上を支配する。
第5の惑星ガレムは、アストラ号が最後に上陸した惑星で、発光生物が多く生息する。

思えば、SF映画なんかに登場する惑星の設定にはまいど胸が高鳴ったものだよ。

最初の衝撃はやっぱり『スター・ウォーズ』でしょう。
物語上もっとも重要だと言ってよい砂漠の惑星タトゥイーンや、いとしのイウォーク族が活躍する森の衛星エンドアとかは、まあまあ想像できる範疇とはいえ、映像には引き込まれましたなあ。
「スカイウォーカー・サーガ」で出番の多いナブーは、きれいな田園風景と水中の凶暴な生物群がコントラストをなしていて、懐の深い魅力的な星だった。
『シスの復讐』に登場したウータパウは、地下に海があり空には9つの月が輝く、地震が頻発するため大地はすり鉢状の縦穴へと崩壊していくという発想が見事。

『インターステラー』では水の惑星が印象的だった。
主人公らは浅瀬に着陸し、遠くにありゃま山脈が見えるね的に思っていたら、どっこいそれは巨大な津波で、あっという間に飲まれてしまう。そりゃ月じゃなくて巨大ブラックホールの引力なんだから、潮の満ち引きも桁違いってもんでしょ。
この重力の関係で、1時間が地球時間の7年に相当するというのもワクワクするね。シンプルだけど強烈な印象を残した星でした。

映画じゃないけど、キャプテン・フューチャー・シリーズにも魅力的な惑星がいくつもあったな。
一番のお気に入りは『宇宙囚人船の反乱』の舞台の小惑星。謎の生命体キュービックスが合体ロボみたいに造形を変えるのはアニメ版のいいところ。
囚人たちを夜な夜なおびきだしては食らっていく「主」の存在もミステリアスだった。これって『アバター』の魂の木のモチーフなんじゃないのとか思うのは牽強付会でしょうか(ちなみに惑星パンドラは別格に美しく、言うに及ばずの扱いです)。

ああ、宇宙人さんよ、ボクを連れて行ってほしい、あなたの星へ。今ならもれなく人体実験し放題でいいからさ。ただし、痛くないようにね。


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