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ニワカと呼ばないで|ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC|Review

Brighton & Hove Albion Football Club
レビュー2023.01.14/スポーツ★★★★☆

日本代表選手・三笘薫が所属するプレミアリーグのプロサッカーチーム・ブライトン。現在、世界最高峰のプレミアで上位につけ、2022カタールワールドカップにも印象的な選手を輩出していたので気にはなっていた。ワールドカップ明けからABEMAで無料視聴できる機会が増えたので、さっそくレビューしてみよう。

正直、ポッター監督がシーズン途中でチェルシーに引き抜かれて、順位を落とすのは必至だと思っていたが、後任のデ・ゼルビ監督がパフォーマンスを落とすことなくマネジメントできている。この人材発掘力がクラブの最大の強みだろう。

それはもちろん選手にも同じことが言えて、トロサール(いなくなっちゃったけど)、マカリスター、カイセド、三苫など決して前評判の高くない選手と契約して、中心選手に育て上げる手腕はお見事。南米中堅国のエクアドル代表が3人だしね。

スカッドで際立つのはボランチの2枚。カイセド、マカリスターは守備力も攻撃力も申し分ない。エクアドル代表のカイセドはポジショニングと展開力がいいし、マカリスターはW杯優勝したアルゼンチン代表でインサイドハーフのポジションだったように、推進力と運動量が特筆レベル。プレースキッカーでもある。

4バックでも3バックでもダブルボランチは変わらないようだし(間違ってたらゴメン)、母国語がどちらもスペイン語なので、相互理解や役割分担もかなり練られている。2人ともいつまでこのチームにいるかわからないが、もう1〜2年プレーするだけでも、クラブの歴史に残るのではないだろうか。

代表には選ばれていないが、マーチ(反町さん!)、グロスあたりもいい選手。マーチは左利きの右サイド配置で、三苫同様、大外からペナルティエリア内までスペースを切り裂く。ポリバレントなグロスはスルスルッとゴール前に上がって点を取る魅力がある。

GKのサンチェス、CBの地元出身ダンクはゴールに鍵がかけられるし、ファーガソンやサルミエントらの若い控え選手もしっかり戦力になっている。ララーナ、ウェルベックの元イングランド代表のベテランが渋く要所を締めている。

さて三苫だが、トロサールの出番が減ったワールドカップ明けから先発で起用されることが多くなって、しかも結果を出している。チームメイトが三苫の特徴を理解したのが大きく、特に同じ左サイドのエストゥピニャンとの関係性がよくなった。当初は同サイドのライバル(3バック時)とみられていただけに、これは嬉しい誤算。外と内のポジショニングの補完性が優れている印象で、攻撃力も高いエストゥピニャンが三苫のドリブル突破力やシュートセンスを認めたということだろう。

ポゼッションサッカーの信奉者と言われるデ・ゼルビ監督だから、就任前よりもボール保持率は高くなったようだ。自陣ゴール前でもプレス回避のボール回しをしている絵がみられる。それを可能にする選手の個人能力がもともと高かったということもあるだろう。

先般のブライトンがどんなチームカラーやクラブ哲学を持っていたのかしらないが、ホームのファルマー・スタジアム(アメックス・スタジアム)のサポーターは、出し入れの多いビルドアップにもじれずに声援を送っているようですよ。


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