沖縄のサンゴを殺したのはアナタですね|Field-note
この夏、沖縄の海はいつもにも増して熱かった=煮えていた。沖縄気象台は次のように報道発表した。
これは7月の状況だが、8月も台風が来なかったため、状況はより悪化したと思う。浅瀬のテーブルサンゴは軒並み白化した。ふだんは白化しないハマサンゴまで白くなっている個体がある。空港近くの海でも事態は深刻で、飛行機の窓からでも海が白いのがわかるんじゃないだろうか?
サンゴって「青い珊瑚礁」みたくイメージ先行だから、言葉や画像として知らない人は少ないだろうが、実際に海で見たことがある人はそこまで多くないんじゃないのかな? 地元の沖縄の人でも「海は眺めるもの」と考える人のなんと多いこと! 以前に書いた文をリライトすることで簡単に解説しておこう。
白化は共生する褐虫藻が逃げ出してしまう現象だ。褐虫藻はストレスがかかるとポリプから脱出するのだが、代表的なストレスが海水温の上昇なのである。「エルニーニョ現象」が起きた年には、世界中で白化現象が起きやすくなると言われている。
期間が短ければ、褐虫藻が出戻りしてくれることもあるが、長引いて白い骨格にこけ状の海藻が生えてくると完全に死滅する。
正直、白くなったサンゴを見るのは気が滅入る。SUPを漕いでいてもシュノーケリングで潜っても楽しくない。海水温上昇の原因のひとつが地球温暖化で、その原因が人為起源だとしたら、ワタシが犯人でもある。サンゴに断罪され、海に引き込まれる悪夢が頭をよぎったりする。「オマエらのせいだぞぉ〜」ってね。
白化から身を守るために、サンゴ自身が次のことをしていると、これまでの研究が解明した。
①共生相手を変える
白化が起こりそうになると、共生している褐虫藻を白化に強い種類のものと取り替えるサンゴがあるそうだ。そういえばハナヤサイサンゴは比較的白化が遅いけど、そうなのかな?
②自分で食料を調達する
サンゴは動物だから、自らの触手でプランクトンを捕まえて食べることができる。だから、餌が十分にあれば捕まえて食べることで急場をしのげるらしい。
ワタシにもできることはないかい? 直接の関係はないが、ひとまず海でのプラスチックゴミ拾いはやっている。ほかは節電や徒歩通勤くらい? ちょっと無力感が漂うなあ…