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#4 自転車で台湾一周(環島)した話(台南→高雄)

4日目(台南→高雄)

四日目ともなると身体が早起きに順応して、目覚ましをかけずに6時には起きれるようになる。普段の生活からは考えられないような健康体である。隣のベッドでは昨日一緒に話していた人たちが寝ていて起こさぬように身支度を済ませる。共有エリアで昨日の夕飯の残りを食べているとイングランド人のおじさんが起きてきて、自転車をほめられた。チェックアウトを済ませて街に出ると、昨晩の喧騒が嘘であったかのように人がおらず静まり返っていた。

台南から高雄までは60 kmほどであり、環島行程の中で一番移動距離が短い日であった。そのため、のんびりと街を走り抜け、海沿いの沿岸サイクリングロードを通ってのんびりと3, 4時間ほどかけて高雄へと向かった。

ずんぐりむっくり
海沿いの気持ちいい道
イグアナみたいなでかいトカゲがいた
港に戻る小舟

この日は、バックパッカー41ホステル高雄に泊まった。

まだ清掃が終わっていなかったのか、チェックイン待ちの東南アジア系の団体客がウクレレを弾いて待っていた。なかなかに陽気な民族である。待ってる間、ふと本棚に目をやると見慣れた路線がそこにはあった。まさか台湾で富山県の雨晴海岸が表紙の本を目にするとは思わなかった。

富山県が誇る観光地「雨晴」

チェックインを終え、早々にカメラをもって観光へと向かう。高雄は台北に次ぐ台湾第二の都市であり、商業施設や企業ビル以外にも美麗島駅や龍虎塔などの有名な観光地が多くある。前日に龍虎塔について調べていると、工事中で幕がかかっているという情報があったが、せっかく高雄まで来たため行ってみることにした。

まずは最寄り駅の三多商圏駅へと向かうが、気づくと手元にはカメラの他にタピオカがあった。タピオカの人を惹きつける魔力は偉大だ。

気づいたら買ってた

龍虎塔の最寄りは台鉄の左營駅であるが、ホテルの最寄りの三多商圏駅からはアクセスが悪かったため、巨蛋駅で降りて歩くことにした。ドーム前の広場ではフリマが開催されており、多くの人でにぎわっていた。ドームではイベントが開かれていたのか、フリマ目的に来た人たちなのかは定かではないが、高雄の街の規模感を感じるには充分であった。普段はそこらへんの道路をセルフお散歩している犬がここではちゃんとリードに繋がれて散歩されている。犬でも都会育ちだと育ちが良いと感じてしまう。

MRTが通っている大通りを曲がって、龍虎塔の方向へ向かうと町並みは大都会から金沢のような中堅都市の様相に変わってくる。両隣をビルに囲まれながらも、1階に入っているテナントは古本屋であったりローカルなおもちゃ屋で金沢駅から15分ほど歩いたときの景色を思い出した。

20分ほど歩いただろうか、龍虎塔に近づくと観光バスが一気に増えてくる。五差路の一角にRPGゲームならダンジョンにワープできるような木で囲まれた入口が見えてきた。石壁には木の根が張り巡らされ、わずかに人の出入りがある。ここが龍虎塔であることを知らなければ確実に入ることはないだろう。

ドラクエかな?

ダンジョンに入ってみると,右手に大きな池が見えてきて,水上スポーツを楽しんでいる人たちがいた。都会の真ん中にあるオアシスのような感じだ。
さらに足を進めると,龍虎塔が見えてきた。残念ながら工事用のネットがかかっていたが,手前の通路の装飾はなかなかなものだ。池には亀や日本では見たことがない水鳥が泳いでいた。

龍虎塔とその付近の五里亭へも行き,2時間ほどカメラを持ち散策し、日が傾いてきたため帰ることにした。来た道を戻ると、白いテスラが止まっていた。台湾は都市部に来ると電気自動車やら電動バイクをよく見かける。しかし、都市部を走っていると喉が痛くなるほど空気が汚いため、なんだかちぐはぐな感じがする。

昼頃にぎわっていたドーム周辺は相変わらずの賑わいである。

賑わいをしり目に、宿のある三多商圏駅へと戻る。時刻は夕方であり、幾分暑さは落ち着てきたように思えるが、前日の日焼けがひりひりと痛み太陽の存在を忘れることは無かった。

夕食を食べに今日も夜市へ向かう。この日は「自強夜市」へと向かった。ローカル感が強いところで、観光客よりかは地元民でひしめき合い、そこまで広くない通りを縫うように走るスクーターであふれていた。一通り店を見てみると、一か所だけ店内が常に満席でテイクアウトも絶えない繁盛している水餃子のお店があった。台湾は餃子といえば焼き餃子よりも水餃子(水餃)が一般的であり、水餃子を主食として食べるのが台湾流である。そして、水餃子と酸辣湯とのセットが特に絶品である。酸辣湯の酸っぱさが体にたまった疲労を抜くのにちょうどいい”加減”で、それを包み込む水餃子の肉汁がなんともたまらなく、台湾滞在はまだこれから1週間ほど続くが台湾で一番おいしかったのは「苓雅水餃大王」の水餃子酸辣湯セットだ。

水餃子と酸辣湯
おいしかったお店

水餃子を好きなだけ食べて満腹になり、まだ寝るには早い為高雄の街を散策してみることにした。高雄大遠百と遠東SOGOという百貨店があり、前者の方を探検してみた。
建物の作りは日本のデパートと変わらず、有名なブランド店が軒を連ねていた。上層階にはフードコートがあり、エスカレーターを上がると正面にファミマが見えてきてデパートの中でコンビニを見ることになるとは思わずなんとも不思議な気分だった。

エスカレーターを登ってドンと構えるファミマ


そして、デパートのトイレはなんとトイレットペーパーが流せるのだ!!こいつは何を嬉しそうに言ってるのだと思うかもしれないが、台湾のほとんどのトイレは水洗式だが、トイレットペーパーは流せず、そばに置かれているゴミ箱に捨てるのが一般的だ。台湾に来て幾度もトイレットペーパーを流しそうになったが、中部国際空港ぶりの日本式トイレに感動した。

宿のシャワーは温度調節が難しく、この日も日焼けをひりひりとさせながら床に就いた。

信号待ち大行列も見慣れてきた
南国感満載のスーパー
よくわからん魚たち
工事中の高雄駅
大好きなバーキン

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