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切なさ 感情解説

Webtoonの「ヌリタス~偽りの花嫁」という漫画を読んでいて主人公と母親との愛とその愛がもしかしたら叶わないかもしれないという“切なさ”を感じる作品でした。“切ない”という感情体験は結構自分は癖になるので今回はこの切なさについて解説をしていきます!


📚切なさとは

 切なさとは、ある種の喪失感や自分ではコントロールできない悲しさや寂しさによって心が苦しくなってしまう感情のことである

🍀切なさの効果

切なさの効果は、スイカに塩をかけて食べることに似ている。つまり、切ないというネガティブ感情があることにより、ポジティブ感情をより感じることができるのだ

せつなさも言ってみればネガティブな感情ですが、塩をかけるとスイカがより甘く感じられるのと同様に、場合によっては脳の中で、「快感」に変わることがあるのです。
失恋でもなんでもいいのですが、せつない感情にとらわれて落ち込んだとしましょう。

脳はホメオスタシス(恒常性:人間の体の、周囲の環境が変わっても生体を一定の状態に保とうとする働き)に従って、マイナスの感情を抑えるために、わずかなきっかけからプラスの感情を作り出そうとする。
その「上昇気流」に乗ることができると、落ち込みから一転して生きることへの猛烈な歓喜が湧いてきます。だから感情的にフラットに生きていくより、せつないことや苦しいことのある方が、ほんの少しの喜びから、脳が作り出す大きな快感を味わうことができるのです
ドラマや小説から得られる劇的な感情の疑似体験も同じことですが、なぜか女性の方がこの「人生のシミュレーション」能力に長けています。例えばドラマを見ているときでも、このような人間関係があったとき、どういうことが起こり得るのか、自分がヒロインだったらどう感じ、行動するのか、詳細に思い描くことができる。
 せつなさを含めた快楽のポートフォリオのマネジメントは、人生において最も重大なことの一つなのです。せっかくならシミュレーションで終わらせるのではなく、実生活や恋愛の実践にも反映させて、人生をより豊かにしてください。

茂木健一郎が読み解く、せつなさの快楽原則「脳科学的には“せつない”は快感です」

 確かに、切なさは快楽を感じる1つのポートフォリオとして機能しているのは納得できる。例えばサンデーの大ヒット漫画「葬送のフリーレン」は切なさをまず感じれる作り方になっている。また私の好きな「バタフライエフェクト」や「ラ・ラ・ランド」もそうだ。切なさ×○○な感情 という感情体験をパッケージ化して売っているのだ


バタフライエフェクト

🔧切なさを感じる条件

 切なさを感じれるのは動物では人間くらいだと言われている。その理由は、

現実でこうであったらいいのになー(理想・願望)

現実
比較する力があるのが人間のみだからだ。

現実しか見ないのであれば、本当はこんな素晴らしいことがあり得るのに(自分にはそれがない)、あの人も自分を想ってくれればいいのに(自分は想われていない)、という仮想を夢見る必要はないし、仮想しなければ、現実に対するせつなさは感じようがありません。

茂木健一郎が読み解く、せつなさの快楽原則「脳科学的には“せつない”は快感です

仮想と現実の比較が“切なさ”を感じる構造である💡


🗾切なさを感じやすいのは日本人特有?

面白い認知実験があります。ある対象物があり、その背景にさまざまなノイズになるものを置いて対象物を見るとき、日本人と欧米人の間には、パフォーマンスに明らかな差が出る。日本人は背景も含めて対象物を見ようとし、欧米人は対象物だけを見て背景を無視する傾向があるというのです。人間関係の評価でも、同じ傾向があるように思えます。
誰かを好きだと思っても、その周辺にはさまざまな人間関係があり、その関係性ゆえに恋愛を諦めなければならない  これはいかにも日本人によくある発想です。しかし欧米人なら、あくまで2者間の関係だから、周囲の人間は関係ない、という論理になる。要するに図を見るか/地を見るか、木を見るか/森を見るかという問題です。

茂木健一郎が読み解く、せつなさの快楽原則「脳科学的には“せつない”は快感です」

 つまり、日本人は対象そのものだけではなく、その背景にあるものを想像する力に秀でているのだ。これは、桜を観て、散っていく悲しさ 「もののあはれ」を感じる日本人独特の「無常観」にあるのかもしれない。
 そう考えると「鬼滅の刃」も「無常観」を描ているのであんなに心打たれるのかもしれない。


🍀創作への活かし方

 キャラクターまたは読者に仮想の状況を想像させよう。そうすれば"切なさ”を感じて貰えるだろう

💡参考記事
茂木健一郎が読み解く、せつなさの快楽原則「脳科学的には“せつない”は快感です」

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