児童デイサービスだが、送迎がない
どーも。多機能型児童デイサービスSOYNEの伊藤です。
今回は、「児童デイサービスだが、送迎がない」ことについてお話させていただきます。
SOYNE(ソイネ)の通所の流れ
私が働いているSOYNE(ソイネ)では、放課後等デイサービスや児童発達支援では珍しく「送迎がありません」
ソイネが中高生向けのデイサービスであるという点が大きく、送迎がなくても自らの力でこれる年齢層である、送迎なしとなっています。
しかし、年齢的に言えば確かに送迎なしでも通えるのですが、それでもデイサービスで送迎なしは珍しく、見学や問い合わせがあった際には必ず確認されますw
(送迎はないんですか???と)
不登校でほとんど家から出ない子や、普段から地下鉄を使わない子(札幌では地下鉄がメインの交通手段)にとっては、自らの足でデイサービスに向かうのも、そうとう体力や精神力が必要になってきます。
慣れない行動や不安な行動。人混みが多いのが苦手など、子どもたちの通所を阻むものが多く存在しています。
それでも、送迎がないことで色々と見えてきたことがあるので、今日はそのお話をさせていただきたいと思います。
送迎がない
やりたい活動のために、地下鉄の乗り方を覚え、通所回数が増えた。
人混みが苦手だったが、少しずつ克服してきた。
お金使い方を多少は学べる(電子マネー。見えにくいお金)
通所回数そのものが、デイサービスや活動に対する意欲のバロメータとなっている。
スタッフの意識が変わる
この中で、特にお伝えしたい1と4と5についてお話しします。
やりたい活動のために、地下鉄の乗り方を覚え、通所回数が増えた。
自身がやりたい活動のために通所回数を増やしたいと思う子はどのデイサービスでもいると思います。しかしソイネでは「送迎がない」ため、自分で来れない子は『親の送迎』が必要になってきます。実際に、契約当初から自分で家からソイネまで通所する子は少なく、最初は親の送迎で通い始める子が多いです。
そのため、「通所回数を増やしたい!」「もっとeスポーツがしたい!」と思っても、親の送迎の都合がつかない場合、通所回数を増やすことができません。そうなってくると子どもは「自分で通えるようになって、通所回数を増やす」という選択肢が出てきます。
ソイネでは、そういった理由で親の送迎から卒業し、自分でバスや地下鉄を使い通所してくる人が増えていきました。
公共の交通機関を使うためには『時間の管理』『身だしなみ』『お金の使い方』『人混みでの行動』『親離れ』など、多岐に渡り克服すべきポイントがあります。本人たちにその意識はないかもしれませんが、公共の交通機関でくるというだけで、さまざまな成長が見られるなと感じました。
通所回数そのものが、デイサービスや活動に対する意欲のバロメータとなっている
送迎があるということは、送迎のたびに親とのコミュニケーション(情報共有)ができたり、なかなか外に一歩踏み出せない子もデイサービスに通所しやすかったり、生活リズムを整えたりとメリットがたくさんあると思います。
そんな中、送迎がないことのメリットは「通所が意欲のバロメータ」というふうに見ることができるという点です。
もちろん、全てとは言いません。親が「ちゃんと行きなさい」と言うので行くという子もいるかもしれないですし、そもそも真面目に「行くと決まっているから行く」というだけの子もいるとは思います。
しかし、「親に言われても行けない子」や「行くと決まっていても行けない子」がいるのも、また事実です。
そんな中、送迎もないのに自らの足で通所してくることはなかなか体力や気力のいることですし、モチベーションが必要になってくると思います。
実際に「気分が乗らない」という理由で休む子もいれば、何回か休んでいる子に話を聞くと、別件で何かしらの事情があったりと、本人の状態を知ることにもつながっているなと感じています。送迎があっても、これに関してはどのデイサービスで働いている方も感じ取ったり、普段の関わりで判断していると思いますが、その判断材料の「わかりやすい大きな1つ」になっているということです。
スタッフの意識が変わる
これはソイネとしての意見ではなく、完全に私の個人的見解です。
送迎がないので、正直「継続的な通所」の難易度は上がると思います。
そのため、スタッフとしては「どうしたら来てもらえるのだろうか?」ということに時間を割くことになります。来ることがゴールではありませんが、来なければ始まらないというのもありますので、やはり支援を続けていくためにも「子どもが通いたいと思う、価値の提供」や「保護者が通わせたいと思う価値の創造」が必須になってきます。
これに関しても、どのデイサービスも考えていることなので送迎がないから考えているということでは無いのですが、よりシビアに考えているかなと肌感覚的に思っております。
あの子が来なくなったのは活動に魅力を感じなくなったのでは?成長を感じられなくて物足りなくなったのでは?何か別の事情があるのでは?というふうに悩む回数が多いかなと感じております。
※ただ、私はこのデイサービスしか勤務したことが無いので比較できません。なんとなく周りから聞いた印象です。
送迎がないということは、スタッフが子どもたちのことを考える場面が1つ増えるのかなと思っており、それもメリットだなと感じております。
最後に
根拠もなにもなく、最後の最後にフィーリングで話すんですが、送迎がなく自分の力で通えるようになった子は、なんとなく精神的にも社会的にも成長を感じております。お金の管理もしかり、苦手な人混みを自分なりに我慢したり対応したり、同じ方向のメンバーと一緒に帰ることで関係性を築いたり。
さまざまな面で成長を感じております。
そんなこんなで送迎がないというのも悪くないなと感じております。
通所回数を増やしたり、欠席を減らすのであれば送迎があった方がもちろん良いのかなと思いますが、送迎がないからこそ見えてくる子どもの姿や感じられる成長もあるので、みなさんにお伝えしたいなと感じました。
ではでは、また明日お会いしましょう!!
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