自己主張が苦手な子の成長(例1)
どーも。札幌にある多機能型児童デイサービスSOYNE(ソイネ)の伊藤です。
今日は、子どもたちのやりとりの一部始終をお伝えしたいなと思います。
常に自己犠牲
とあるメンバーB君は、自己犠牲の精神が強く「俺が我慢しますよ」という場面が多いです。
それは優しさもありますが、裏を返せばしっかりと自己主張ができなかったり、人に嫌われることを恐れすぎる一面もあります。(気持ちめっちゃわかる。誰だって嫌われたくない)
そのせいで我慢し過ぎたり、後悔して自己嫌悪になったり、デイサービス内ではありませんが、人間関係で悩むことが多いメンバーでした。
そんなメンバーのとある変化についてお話しいたします。
折衷案がでてきた!
こんな場面がありました。
A「APEXやろう!」
B「あぁ…いいよ(本当はVALORANTがやりたいなぁ)」
これだけ見ると、まぁこんな日もあるよねって感じのやり取りですが、これが毎日だとどうでしょう?A君は自分の要望を叶え続けて、B君は常に我慢をしています。
ただ、A君はB君のことが友達として好きで、B君もA君のことを仲が良い友達だと思っております。
関係性は壊したくない。
我慢するという自己犠牲の方法のみを取っていました。
ただ、毎回この件を経験すると、こんな技術を覚えました。
A「APEXやろう!」
B「OK!いいよ!…あ!じゃあ今回はAPEXやるから、次は俺のVALORANTに付き合ってよ!」
A「VALORANT苦手なんだよなぁ…」
B「俺も一緒にAPEXやるから、たまには俺に付き合ってよ!一緒にやりたいし!」
A「うん(まぁいいか)」
これB君うまいなぁって思いました。
相手の要望に応えつつ、自分のやりたいゲームもやる余白を作ってます。
しかも、断る(A君がショック)でも我慢する(自分が不満足)でもなく、折衷案として「相手の要望も自分の希望もちょっとずつやる」という選択をしました。
この選択がB君にとっての100点かどうかは正直違うかもしれませんが、B君は相手との関係性を壊さない方法として折衷案(間を取る)という技を身に付けたと思います。
もちろん、一人で勝手にこれを覚えたわけではありません。
eスポーツ中には「相手の意見を尊重しつつ、自分の意見を通す」という、これに似た場面が多く出てきます。
チーム戦なので、「こうしよう!」「この方が強い!」と声の大きい子の意見がゲーム中は通りやすいです。コミュ力の高さや、ゲームの上手さが説得力となり、その子の意見が通りやすくなるのは仕方がないことです。
しかし、それでも負けてしまったり、失敗してしまうのがeスポーツの良いところです。
相手も人なので「絶対に勝てる方法」はありません。
上手い人の作戦でも負けることはあります。
実力が下の選手の提案が100%間違っているということもありません。
しかし、ただ否定するだけでは実力が下だと聞いてもらうのは難しいので、色々と伝え方を学んでいきます。
その結果、『自分の意見を通す!!』という子に対しての柔らかい対応方法がいつの間にか身についていたようです。
他にも色々と面白いやりとりや「うまい!その言い回し!」みたいなことはよくあるので、また紹介していけたらいいなと思っております。
それではまた明日!
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