【タピオカミルクティー】(ショートショート)
ゴミを拾って短編小説を書く。
SNS上(主にInstagram)で、そんな創作活動を半年ほど続けています。
もっと正確にいうと、ゴミ拾いをして、そこで拾ったゴミから妄想を広げて短編小説を書くという活動です。
決まり事は二つ。
「『そのゴミは、悪意を持って捨てられたものではないかもしれない』というところから妄想を広げること」
「読んだ後に、読んだ人の中に何かしらの良い感情が芽生えるようなストーリーを考えること」
せっかくなのでnoteにもあげていってみようと思います。
よろしければぜひお付き合いください。
ゴミから始まる妄想ストーリー
【タピオカミルクティー】
「タピオカ様、宙を舞う」
ふとそんな言葉が思い浮かんだ。
そこから後の記憶はない。
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私はタピオカに様をつけて呼ぶ。
おいしすぎるからだ。
ブームが去ったのなんて知ったこっちゃない。
うまいものはうまいのだ。
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目を開けると知らないベッドの上だった。
病院。
危うく人生最後に見た風景が、空飛ぶタピオカ様になるところだった。
後から聞いた話だが、どうやら仲良しのヒマリとタピオカミルクティーを飲みながら歩いていたところを、車に突っ込まれたらしい。
もちろん、ちゃんと歩道を歩いていた。
突っ込んできた車は、居眠り運転。
私は、当初はその衝撃に意識を失い病院に運ばれたものの、奇跡的に、本当に奇跡的に、ほぼ無傷。
正直意味がわからない。
車にはねられてタピオカミルクティーごと飛ばされたのに。
毎日のように飲んでいたタピオカ様のご加護かしら。
はねられたのは幸いにも?私だけで、ヒマリはギリギリのところで無事だった。
焦る頭でなんとか救急車を呼んでくれたのも、ヒマリ。
ありがたやありがたや。
持つべきものはタピオカ様と優しい友だち。
学校、いつ戻れるかなぁ?
ほぼ無傷だけど検査やら何やらでもう少しいなきゃいけないらしい。
早く元気になってヒマリに会いたいなぁ。
懲りずにまたタピオカミルクティー飲みながら、くだらない事で笑いたいなぁ。
そんなことを考えていると、病室のドアが開く。
顔を覗かせたのは…
ん?タピオカミルクティー?
タピオカミルクティーの後からヒマリが現れる。
『オミマイ。サシイレ。タピオカ、トラウマ?』
なぜかカタコトの日本語。
そのまま二人で大爆笑。
そういうとこ、大好き。
それから二人で飲んだタピオカミルクティーは、今まで飲んだ中で一番美味しかった。
お読みいただきありがとうございます。
ショートショートですが、続きます。
続きはこちら。
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