1日の飲水量と体内水を正しく確保するためのルール
1日の飲水量を知るためには1日に体から排出する水分量と得られる水分量を計算する必要があります。
まず1日に身体から排出される水分は以下の通りです。
尿・便→1300ml 呼吸→約400ml 皮膚からの蒸発(あせ)→約600ml
合計2300ml
1日に得られる水分も下記に示させて頂きます。
食事→約600ml
代謝水→約200ml ※代謝水は体内で脂肪を分解する時に生じる水
合計800ml
2300ml−800ml=1日の飲水量(約1500ml)
1日の目標飲水量は約1.5リットルとは言われていますが体格によって差があるため「体重×30ml」が必要な飲水量と考えて頂ければと思います。また考慮して頂きたいポイントとして夏・冬では汗のかく量も異なるため必要な飲水量も変わってくることです。
1日の飲水量について一緒に考えて頂きましたがその水を飲むための大切なルールがありますのでお伝えさせて頂きます。
○3:5:4ルール 時間ではなく食事と睡眠を基準
起床から昼食まで「3」昼食後から夕食まで「5」夕食後から寝るまで「4」の割合で水を飲むというルール
○常温の水を選ぶ
冷たい水は爽快感がありますが内臓や筋肉を冷やしてしまいます。加えて嗜癖性(くせ)になりやすいため注意が必要です。
「常温」を強調していますが常温にこだわり過ぎないのも大切です。
暑い時は熱中症予防のためにも冷たい水を飲む必要があります。
また「自律神経と体内水」の記事の次に今回の内容を書かせて頂いていますが自律神経のコントロールが上手くいっていない方は体の外の温度(気温)、体の中の温度(体温)ともに影響を受けた時に上手くコントロール出来ません。そのため冷たいものを飲んだ時の反応がより過敏に出てしまいます。記事を書いている私自身もすぐにお腹を壊してしまいます(笑)
理想はどんな温度の飲料も飲めることなのでそこに向けて少しずつ調整していければと考えます。
○寝る直前には水は飲まない
就寝中は飲めないので目覚めてすぐにまず1杯飲むのは良いことです。寝しなに水を飲むのはNGとなります。夜中にトイレに起きることになってしまい質の良い睡眠を妨げる原因にもなります。入浴後に喉が渇き、水が飲みたいと感じるなら適量の水を飲むのは問題ないです。
○清涼飲料水を水がわりにしない
世の中の飲み物には利尿作用があるもの、糖分の多いもの、アルコール類と多種多様な飲み物がありますがどれも水代わりにはなりません。水以外の飲み物で体内水を補おうと考えないのが基本です。様々な飲料を飲むことは楽しみともなりえるため飲んではいけないということではなく、嗜好と水分補給は分けて考えて頂けると幸いです。しかし水ばかり飲んでしまうことににも注意点があります。それは体内のpHバランスが崩れてしまうことです。
「体内のpHバランス」
人の体のpHは7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。この数値は日常生活の中で様々な刺激(偏食、アルコール、たばこ、睡眠不足など)により常に変動しています。pH値を調整しているのは腎臓、胃腸、呼吸などです。特に腎臓は酸を尿として排出。また重炭酸イオン(ミネラル)を血液中に送りアルカリ性に傾ける役割を持っています。体が酸性体質になるといわゆる「老化しやすい」状態になります。(血液中の白血球の働き低下、免疫力低下、慢性疲労等) ミネラル不足はpH調整が出来ないだけでなくビタミン、ミネラルの吸収が悪くなり皮膚や骨を弱くすることにもつながります。上記のことが起こりえる事を考慮すると水だけでなく、塩分を取り入れる必要も出てきます。現代人は塩分を取り過ぎているとの話もあるため自分の塩分量を考えた上で調整する必要がありそうです。
○むくむから水を飲まないのは✖️
水を控えれば一時的には体内の水分量が減りむくみがとれたように感じるけれど実はさらに慢性脱水症を悪化させてしまっています。正しくチビチビ飲むことで体内の水とミネラルのバランスをとることが重要です。
○いつも同じ水と決めない
体に必要な水はその日によって違います。汗をかいた日は中硬水、運動量が少なくむくみやすい日にはカリウムの多い硬水など胃腸の調子や疲労感など体の声に耳をすましてその時の自分に合った水を選ぶのが正解です。
今回と前回(自律神経と体内水)の記事で自分が思っている以上に体内水不足、体内水が滞っている方が多く、自分では水分をとっているつもりでもとれていない、気付かないうちに慢性脱水症になっている、体内水が滞ることで不調を抱えてしまっている等への意識を今一度して頂ければと考え書かせて頂きました。水との付き合い方も考えるきっかけとなると嬉しく思います。