見出し画像

世界でミツバチが減少している理由!

「ミツバチの減少、原因は何か?」
①農薬被害 ②森林減少 ③蜜源減少 ④地球温暖化 ⑤ダニの被害
など、様々な要因があります。


1. 帰巣能力が喪失する、ネオニコ農薬

蜂群崩壊症候群の要因
ネオニコチノイド系農薬」は、人に毒性が弱くとも、ミツバチには、
    微量でも脳神経に作用し、方向感覚を失わせるとされます。                 帰巣できず、ミツバチの大量の失踪(蜂群崩壊症候群)の要因

~海外では使用禁止~
EUは、ミツバチに影響あるとして、ネオニコチノイド系農薬3種を使用禁止
 (2018年)。

~田んぼで防除は必須~
日本でミツバチの死骸が最も多いのは、田んぼ
「農薬は、出来るなら使いたくない」農家さんに思いがあっても、
斑点米の基準が厳しかったり、ネオニコチノイド系農薬を使わざるを得ない

2. 減少の一途、生息地の森林減少

            ①日本の蜜源植物
アカシア、栃、桜、ミカン、リンゴ、栗、レンゲ、クローバー、菜種、蕎麦

            ②蜜源植物の減少
  蜜源樹木の伐採であったり、栽培終了で全国的に蜜源地は、縮小傾向

            ③林業体系の変化
     日本は、国策で自然林をスギやヒノキに変えてきた
 スギやヒノキ林は、エサが少なく、昆虫や動物が生息しにくい環境

          ④アカシアは要注意外来種に指定 
   蜜量多く、養蜂貢献の高いアカシアは、要注意外来種に指定され      (在来種駆逐の加害は、確認されていませんが)、植樹できなくなっている

           ~ミツバチのエネルギー源~
         ミツバチにとって、花蜜はエネルギー源
       花粉は、アミノ酸・脂質・ビタミン・ミネラル源

3. 農業衰退と蜜源減少は、負の連鎖

  ①農業衰退で「レンゲ畑」の減少
     「はちみつといえば 『蓮華(れんげ)』」と言われるほど、                       ミツバチと蓮華は 深い関係があります。
       レンゲ畑は、自生でなく、農家の栽培でした。
   春、レンゲごと田んぼを耕すと、良い窒素肥料になったのです。
ミツバチは、そこでレンゲ蜜を得ていました。クローバーも同じ目的です。       

「減少の背景」
    蓮華の栽培自体が減ったことや害虫による被害の影響
肥料は、化学肥料に代わり、耕作地は、放棄地や都市開発が進み、田園風景は、大きく様変わりしました。

  ~花の減少はミツバチにとって死活問題~
蜜源植物が減ってしまうと、ミツバチは蜜を求めてより広範囲を飛び回り、従来以上の負荷がかかります。状況がひどい場合、蜜を得れられず、
巣が駄目になってしまうことも考えられます。
その他にも、蜜源植物は春から初夏に集中する反面、真夏から秋には花が減少するので、季節的なギャップがあり、栄養の偏りが生じることもあります。            

4. 集蜜に困る長雨、植生変える温暖化

養蜂家は、開花の時期を見越し、女王蜂の産卵を促し、開花に合わせ、蜂群を ピークにもっていきます。昨今、温暖化によって、蜂群が育たないうちに、花が 咲いてしまう事象が起きています。また、雨の日にミツバチは、飛ばないため、 花の季節に雨が続くと、蜜が採れません。北日本では、開花と梅雨が重なることが多くなりました。梅雨がないとされる北海道でも、雨が続く年が増えました。台風の大型化や、水害も頻発しています。蜜源植物が倒れたり、枯れたり、植生も変化してしまったり。ミツバチの生息にも、当然波及していきいます。

5. ダニ、ウイルス、スズメバチの脅威


寄生ダニ・ウイルスも、深刻な問題です。ミツバチ減少の主原因の一つとされています。一番の被害は、「ヘギイタダニ」という寄生ダニです。ミツバチの巣から 巣へ広がります。体液を吸い、死に至らすとともに、ダニを宿主するウイルスまで持ち込みます。寄生ダニは、巣に侵入し、幼虫と蛹(さなぎ)時から、体液を吸い 始めます。同時に産卵し、約1週間で親ダニに成長します。ミツバチに寄生したまま外に出て、別の巣へ侵入し、繁殖を繰り返します。さらに、アジア発の外来種 「スズメバチ」の脅威もあります。防御策を持たない「セイヨウミツバチ」は、 襲われると、成す術がなく、巣ごと絶滅させられます。

6.ミツバチと人間の関係、いつまでも!


人間は、「自然から独立する技術を持った」と幻想したかの如く、自然を変えてきました。ミツバチの環境へも、農薬散布や生息地減少など、苦境へ立たす原因を作ってしまっています。ギリシャ神話の「最高神ゼウスは、蜂蜜とヤギの乳で育てられた」とされます。太古からミツバチと人間は、伝説が作られ、深い関わりがあります。食べては、栄養の宝庫として、作っては、農作物の受粉の担い手として、大恩のあるミツバチたち。たった1種のミツバチの喪失でも、生態系を崩してしまう恐れがあります。森林の減少、台風の被害、クマの襲撃、個別の事象に見えても、深くで繋がり、全体に影響を及ぼしているのです。

ここから先は

0字

養蜂新聞

100円

養蜂の飼育方法や生態など養蜂に関わる話題を中心にした記事になります。 現役の養蜂家が記事を作成しますので気になりましたらご購読お願いします。

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?