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共通言語を獲得する──なぜ読書を続けるのか
私が読書が好きな理由を、以前このように書いた。
くらしの中で、また違う角度から「こういうのも読書の良さだな」と思うことがあったので、補記的にここに書き留めておこうと思う。
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最近、引っ越して新しい人との出会いが増えた。
(引っ越し後1週間で、ご近所さんや子どもたちに関係する先生、友だち、保護者など含めると、直接会話した人だけでもゆうに30人を超える……)
新年度なので、仕事でも新しい人と会う機会が比較的多い。
要は、いろいろな年齢の、立場の、性格の━━当たり前にそれぞれ異なるパーソナリティを持つ人と会話を交わす機会が多いということだ。
そういう時に、読書で得たネタや知識はとても良い話題を提供してくれる。
たとえば、もうすぐ四十歳の私と新入社員の子。
もう「子」としか言えないほどに年齢が離れている彼・彼女らと会話する時に、“マンガ”の話は鉄板だ。
自分の好きな作家、相手の好きな作家、昔のおすすめ名作、今“きている”マンガ。マンガに関する話題は世代を超えて通じることが多くて、本当に日本人の共通言語だなと思う。
同世代だと、抱える悩みが似通っていたりするので、直近で自分の助けになった本を紹介したりされたりする。本というワンクッションをはさむことで、会話を重くしすぎずに自分の今の状態を伝えることができる。
業種や職種が異なる人との会話の種にもなる。
その人の専門分野で、自分に深い知見はないが興味のあることを話すと、たくさんおすすめの本を教えてもらえる。知識を得るためのアプローチを知っている人の選書は、とても良いことが多い。
海外の人と話す時も、読書で得た知識が有効にはたらく。
最近、中国の人と話した時に、繁体字・簡体字の使い分けのルーツのことや、一人っ子政策の実施に伴う堕胎などの話題になったが(その後、だから医者は生まれる前に性別を絶対に教えないが、医者とつながっている占い師にみんな聞くという話になっておもしろかった)、それらの周辺知識が少しでもあれば、踏み込んで良いところと踏み込まない方がいいところ、向こうが話題にするのはいいがこちらは話題にしてはいけないところなど、相手の立場を慮って会話を進めることができる。
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こちらの知っていることを共有し、知らないことを教えてもらう。
もちろん、そこで手に入れた情報をベースに読書を続けないと意味がないが、自分がふだん見向きも気付きもしなかったことを他者に教えてもらうと、知識が倍加する気がする。
読書をネタにした会話ができる場は、自分が「有意義だった」と満足する交流に繋がることが多い。
これからもそういう会話がしたいから、なるべく好き嫌いせずいろいろな分野の本を読みたいなと思っている。
余談だけど、先日、職場の20代の後輩と成田美名子さんのマンガで盛り上がったのはうれしかったな〜
成田美名子さんって、私よりも上の世代のファンが多いと思うんだけどね。
名作は永遠なり。