当たり前に気づき受け入れられるか──『シリコンバレー式超ライフハック』読書感想文
図書館で見かけてパラパラっと読んでみる。
いくつか「そうだよなあ」と思った点をピックアップ。
「やって」「力にして」「自信にして」、それをモチベにしてまた「やる」
人間の主要な動機である「個人としての自由の追求」を阻むもの──自己抑圧と社会的抑圧。その二つの障害を克服できる手立てが、能力─自信ループを発展させることだという。
「自分のできることを究める」実用から追求と、「自分がやりたいことを究める」願望からの追求など、アプローチの別はあるものの、今の状態を抜け出すにはやるしかないということに結局尽きるのかなあ……。そして、そのモチベーションは自分でつくるしかない。
弱さの克服より強みの強化
この本には論語の引用はないが、結局、才能として伸びるのは自分が好きで楽しいことなのだと思う。
ただし、ここで私が重要だと思うのは、ビジネスにおいては「切り捨てる」ものも他者のニーズを満たす及第点は取っておかなければならないということ。
特にコミュニケーションやタスク管理、チームマネジメントなどのベーシックスキルは50点のままにしておいてはいけなくて、80点まではとりあえず持っていく努力が必要で。その上で専門性を伸ばすのは好きな部分、楽しい部分を150点、200点まで伸ばす。
赤点があってもギリ許されるのは、専門スキルで1000点取れちゃう天才だけ。そのような天才ですら、他が赤点まみれではビジネスの世界では生き残れるかわからない。
断られることを前提にお願いしてみる
この発想はなかったと思った部分。
「断られたらどうしよう」という恥ずかしさや、プライドや、怖さ。そういうものって、結局なんのための恥なんだろう? どこからくる恥なんだろう? って改めて考える。
本書に挙げられているとある起業家は、1日1回、100日間拒絶されるようなお願いをし続けてみるチャレンジをした。
結果、断られることにタフになっただけでなく、無理なお願いを思いもよらず受け入れてもらったり、代替案を示してもらったりと、他者の思わぬ優しさに気づけたという。
確かに、と思う。
ただし人間関係は基本的には持ちつ持たれつ。
してもらったことに対して、誠実な対応や、それ相応の対価など、その人が必要とするものを返さなければそれはただの迷惑に過ぎない。人に一方的に縋り甘えることと、支え合うことは違う。
それを踏まえた上で、何かを成し遂げたい時は自分の恥やプライドなどは排除して正しく他者に頼ることを覚えないといけない。
なんのために、どのように生きるのか
ある程度の収入以上になると、人の幸福度はそう変化しないとよく言われる。では、幸せはどこにあるのか。
この本の中では、一例として「日常」「人とのつながり」「貢献」を重視するという観点が挙げられる。
自分ひとりでは幸せになれない。満たされない。
他者とのつながりはめんどくさいことも多いが、それ以上に他者からのレスポンスが自分の存在意義であり、唯一無二の価値を認めてくれるものなのではないかと思う。
だからこそ、すべてのつながりに等しく価値があるわけではないという言葉にも同意する。
自分が望む「村」は、自分でつくらなければならない。
さらに自分だけでなく他者から見てもその「村」は魅力的でないといけない。独りよがりや自分だけの望みを押し通したら、良い村はできない。
自分のためにではなく、一緒に村人になってほしい人のために、村をつくる必要がある。
異議や混沌を認める
わかっていてもすごく難しい課題。
そもそも自分と他者(時には自分と自分)との間に対立や異議があることを素直に認めてしまう。人生は他者との意見のすり合わせをつづける行為だということを前提にしておくと、意見の相違はなんだかそれほど大したことのないもののようにも思える……かもしれない。
感謝めちゃ大事
自分がコントロールできない物事ではなく、自分がコントロールできる範囲を、良い方向に持っていくことに全力を尽くすのがシンプルかつベストな方法。
悪いところは確かに目立つのだが、目につかないような良いところを見つけて言葉にして伝えることは、結局は人の為ならず、自分にも返ってくる。
普通の良識を持っている人間同士であれば、「感謝」すること・されることで、コミュニケーションが活発化し、お互いの良い部分が引き出され、良い方向に動くことは実感として感じる。
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