自然派ワインの闇②~理科と算数でマーケティングに対抗~
自然派ワインにも美味しいモノは沢山ある。
美味しければ何でも良いのに、何でそんなに自然派ワインをこき下ろすの?
と、ちょいちょいツッコまれます。
確かに美味しい、美味しくないは個人の好みなので俺が好きじゃ無いからと言って、そこまで言わなくてもってコトですが。
自然派ブランドで欠陥品を売るワイナリー。マーケット重視でそれを広げるインポーター。
中でも自身の無知を知ってか知らずか、正義の鉄槌よろしく誤情報満載で嬉々として自然派以外のワインをこき下ろし、自然派ワインのオフフレーバーを個性、複雑味、本来の味わいなどと、のたまい。いかに自然派ワインが身体に、更には地球に良いのか。
等々を広めているワイン関係者のしたり顔にイラっとするから、アンチ自然派みたいな意見をついつい言ってしまう。
話を横道へちょいと行くと
SDGsとか掲げて非論理的な行動を推進する人達の顔に似ている。
プラスチックのカップの蓋に紙のストローを刺して喜んでる浅知恵環境保護推進派のように。
ちな、プラストローは平均0.3g、プラの蓋は3〜4gくらい。
蓋を紙にした方が良くね?
海洋投棄日本してなくね?
紙ストロー不味くね?
紙ストローの方が二酸化炭素排出量多い上に、水を大量に使って環境負荷高くね?
プラストロー会社だけ割くって、喜んでるのは浅い理科リテラシーの環境保護推進派の自己肯定感だけじゃね?
再生可能エネルギーって名称の太陽光パネルや風力発電の廃棄問題の環境負荷って再生可能なん?
話戻して、自然派ワインの生産者が普通のワインをディスってるのは聞いた事がない。
多くの自然派ワイナリーは
“こうすれば良いモノが作れる“
と考えて作っている。
間違った知識を流布する人の中には
ソムリエやワインエキスパートの資格保持者もいる。
一般人から見たらソムリエなんてワインの専門家で知識レベルが高い。と、思ってしまうから説得力が生まれてしまうが、以外と微妙な知識のソムリエもちらほらいますよ。
難易度高い試驗を通過する為の勉強は頑張ったのだろうが、本質理解しなくても試験は合格出来ますからね。
更に深堀るには余計な勉強しなきゃならなくてタイパ悪いですから。
その昔3人のソムリエに砂糖水と酵母があれば酒になるから、葡萄ジュースにドライイースト入れればワインになるなって話をしたら、『温度管理し〇〇℃で発酵させないと』とか『酵母はワイン酵母で無ければ』とか、『ワイン用の品種じゃないと!』それらが揃わないと簡単にワインは作れないって。3名のソムリエは言ってました。
教科書にはそう載ってるのでしょうが発酵の知識低過ぎて引いた。パン作っている人の方が酵母理解してるなー。
って思ったし、ワイン用の葡萄が甘く無いって思ってるソムリエも意外と多い。
今はネットで何でも情報が得られるので昔より知識が広くなってると思うが。
ソムリエは飲食店でのワイン専門家なので、別にワイン全ての知識の専門家ではない。
と言うことで、俺の矛先のメインは理科リテラシーの低い、専門家のフリをした
自然派ワイン推進保護団体御一行です。
念の為、自然派ワイン全否定ではなく、健全で美味しい自然派ワインは大歓迎!ってことを今一度伝えておきます。
自然派推進派が良く言うセリフをまとめると
『普通のワインは葡萄栽培時にバンバン農薬を撒き、化学肥料でテロワール由来の葡萄の個性を消し、収穫後は酸化防止に亜硫酸塩を添加し、さらにボトルに詰める時も亜硫酸塩を添加する。薬品でドーピングされた飲み物。
亜硫酸塩により味わいが失われ、さらに頭痛の原因でもある。
そんな飲み物飲みたいですか?
一方、自然派ワインは無農薬、または最小限に抑え、手間をかけ、化学肥料を使わず健康的に葡萄を育てる。
醸造には化学薬品を最低限に抑え、時には不使用。人工的な酵母は使わず、天然の酵母で発酵させて、濾過をしたりしなかったり、亜硫酸塩を添加しなかったり、最低限に抑えたりして、ワイン本来のおいしさを追求。
こうして作られた自然派ワインは余計な濾過や添加をしないため葡萄本来の味わいと複雑味があり、身体に優しく、地球にも優しい。』
こんなこと言われたら普通のワインが怖くなりますよね?
ただ、色々ツッコミ所満載。一つ一つ展開してみましょう。
こういう勧めかたするときによく聞く“本来“とは?
めっちゃ引っかかります。
“本来“とか、“余計なことをせずに“とか、手間暇とか
オーガニック系でよく聞くフレーズですよね。
通販など確証バイアスを使ったマーケティング手法にもよく使われます。はい。
『昔のトマトは美味かった!』
なんてよく年配の人から言われませんか?
野菜本来の味わいがしっかりしたとか。
そんなこと無いです。
昭和のトマトは青臭くて
今ほどの甘味があるトマトはなかなか無かった。
流通網も栽培技術も劣っていた時代に
アドバンテージがあったとすれば
『旬』でしょうか。
夏野菜のトマトを暑い夏に、畑からコッソリもぎって齧りついたら、それは美味しく感じたのではないだろうか。
こんなトマト話を彷彿させる“本来“。
本来っていつの時代を指してるのだろうか?
昔は無添加だった?
酸化防止剤(亜硫酸塩)って表記を見ると、ケミカルな印象を持つかもしれないが。
ワインの起源は古代オリエンタルで紀元前5000年あたり。
紀元前3000年の古代エジプトではすでに亜硫酸塩の素となる二酸化硫黄(SO2)が使われていた記録がある。
SO2が水などに溶けたモノが亜硫酸塩だが
古代では硫黄を燃やしてSO2を発生させ、保存料として使っていたようです。
つまりSO2使用は約5000年の歴史!
この超長期にわたって、安全性と味わいのバランスを試行錯誤してきた現在のワインに向かって
1990年代から出てきた自然派ワインをもって
“本来の味わい“などと宣うのは、いささか厚顔無恥ではないでしょうか。
“新しい味わい“とかならともかくね。
トマトの話ならば過去美化バイアスで、実際の経験を良き思い出として捉える事もできるが、ワインの本来となると5000年前。
そんな古代のことに思いを馳せれるなんて
仙人か神?それとも何百回も転生してる?
次回は自然派推進派によく槍玉にあげられる
この亜硫酸塩についてもっと深堀ります。
つづく