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矛盾を楽しむ


すべてのことに善と悪の両面がある
人間は誰でも、自分で自分を救わなくては生きていられないのだから、どんな悪い境遇になっても必ず自分を生かす要素を見つけるものだ、と私は思っている。

「人間にとって 成熟とは何か」曽野綾子さん

善玉と悪玉。
陽性と陰性。

善善も陽陽もなくて、
まあなんとなく、そういうもんだよなあ、
と思うんですが、

悪悪、な状況に陥ると、
そんな陽気なことも言ってられず
落ち込みます。

「世の中にも、自分の中にも、
善悪ってあるよね」

と思えている時が、バランスがとれて、
いい時なんかもしれません。中庸。


たとえば病気になって入院するのは不運に決まっているのだが、「これも人生で必要な体験と時間だったのかもしれない」と考える。現に私の作家の友人は、先日足を折って入院した。そこで立派な文学的評伝を書き上げた。
その人の言葉によると、自分は普段怠け者で、足でも折らなければ、かねがね完成させねばならないことになっていたその作品も、決して書き終わらなかったと思う。怪我をして歩けなくなったから、暇ができて仕上げられた、と言うのである。

同上


その境地には、ふつうはいけませんが。
去年、生まれて初めて41歳で松葉杖を
ついてみて、50歩先まで10分かかる惨めさを
経験してみて、

駅の、エレベーター。
ノンステップバスー。ぷしゅーっておりるの。
優先座席を譲ってもらう経験。

「あの時があったから」

ささいな人工物や、
ささいな人の仕草に、
目がいくようになりました。


「あの時があって、今がある」

その時は、そう言われると反発するけど、
この真理と、心理をもっておくことは、
「自分を生かす要素」になる。

自分を、最後に生かすのは自分。


この世のことは、善でもなく悪でもなく、多くの場合、その双方の要素を兼ね備えているということだ。
もっと私流の言い方をすれば、善だけの行為とか、悪だけの結果、というものはむしろきわめて稀であって、そういう純粋すぎる生き方・見方をする人と、私はついぞ仲良くなれなかった面はある。

同上

純粋であることは、きれいだけど、
純粋すぎると、っていうのは、
何事も too much はよくないように、
よくないことも、あるんだな。

悪を認めるわけではないけれど、
悪すぎるのはよくないけれど、
悪がなければ、善もない。

100%平和な世界に、
ヒーローも、ラストボスもいない。

一人の人生が、ずっと平和なら、
平坦かもしれない。どっちが幸せか。


なんて、不幸な時にはおもえないけれど、
やっぱり「兼ね備えて」二刀流がいい。
オオタニサンだけでなく、
人は皆、ニトウリュウ。

改めて言うが、私は泥棒も嫌だ。不公平な身分格差のある社会も嫌いだ。しかし、そもそも矛盾を含んでいる。
人は公平、幸福、順調が何より好きだが、心の一部では、そうでもない要素も求めている。つまり不公平であることは充分知りつつ、時には桁外れの豪華な暮らしや、家柄の故に不当に裂かれる悲恋も好きなのである。

同上

不公平がなければ、公平もない。
不当がなければ、正当もない。

世の中は矛盾だらけ、と思っている
自分が一番矛盾している。

ならばいっそ、矛盾を楽しむ選択肢はどうか

世の中は矛盾だらけだ。だからいいことだけがいいのではない。時には悪いことも用意されていて、その中から選ぶ自由も残されていた方がいい。

同上


そうなんです。
選べたら、幸せなんです。

幸か不幸か
善か悪か

その結果ではなくて、
その選択をした自分がいれば、
それでいいんです。

結果を責めず、
選択を楽しむ。

少なくとも、社会の仕組みにおいては、いささかの悪さもできる部分が残されていて、人間は自由な意思の選択で悪を選んで後悔したり、最初から賢く選ばなかったりする自由があった方がいい。

同上

後悔のない人生がいいけど、
後悔のある人生の方が。

方が。

いややけど。

いい。

たぶん。

英語でワンダフルという言葉は、普通「すばらしい」と訳している。つまり「りつ
ぽ」とか「感動的だ」とかいう場合に使っている。その言葉の背後には、「期待していたよりもはるかによかった」というニュアンスがこめられているだろう。

同上


期待するから、後悔するし。
期待するから、超えていける。

フル オブ ワンダー。

不思議がいっぱいの世界。
わからないから、面白い。

イッツア ワンダフルワールド。

って、矛盾だらけの世界。
そしてきょうも、noteを書く選択をした
自分に期待していこう。

今日もお読みいただきありがとうございます

そういえば、
狐の嫁入り、な天気って矛盾。
晴れてるのに降る雨。
そうして、虹が出る。

空の方が、矛盾を楽しんでる上に、
人を楽しませてくれる。
空っぽの心を満たすのはいつも、空。

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