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笑える強さと優しさと
「笑える革命」。
いつの頃からか、僕のプロジェクトはそんな風に呼ばれるようになりました。
NPO法人 delete C代表の小国さんのお話を
昨日聞いて、ご著書を買ったので読みました
その一方で、「あなたのプロジェクトは不謹慎”だね」と言われることもあります。
たしかにそう思われても仕方がないかな、と思ったりもするんです。やっぱり社会課題っていうのは、もっとこう、まじめな顔をして向き合わないといけない感じがしますもんね
不謹慎なつもりはなくても、
そう見えてしまう。
私もこうして、ガンをなくす活動について
書く時に、明るく楽しく前向きに書けないのは
「どう見えるんだろう」と相手目線で
気にするのもあるけど、
扱う自分自身に躊躇いが起きる。
どれも、いわゆる「社会課題」を扱ったものです。認知症、がん、LGBTQへの理解。それらが語られる時、人はどことなく神妙な面持ちで、若干の緊張感を漂わせながら、おっかなびっくり語っていることが多いように感じます。
その緊張感を突破しようと小国さんは
挑戦している。突破というより、
馴染ませようとしている感じがする。
なぜ僕が、社会課題を「笑える」ものにして企画するのか?
それは、僕が今までの人生で、ことごとく「伝わらない」経験をしてきたからでした。
元NHKディレクターで、
クローズアップ現代や、
プロフェッショナル仕事の流儀に
携わられてきた小国さん。
これらの番組は好きで見てきたし
「伝わってる」と思っていたけれど、
それは私が好き、という興味を元々
持ってるからだったんだ。
振り返ってみれば、僕の番組の作り方はどこかワンパターンというか、「この問題は大変だぞ」「このまま放っておいたら危険だぞ」「さあ、あなたたちはどうするんだ?」・・・・・といった感じで、「北風」のようにびゅうびゅう冷たい風を浴びせ、人々の不安や恐怖をあおっていく伝え方が多かった。
たしかに、そう言われるとそうかも。
ひるがえって私自身、
人を動かす、動かしたい、
人を変えたい、なんておこがましくも思う時、
「このままやと困るで」
「気づいてないだろうから言うけど」という
ネガティブアプローチで、
もはや上から目線だったことに気づく。
それを自らがディレクターであり、
比較的世間な受け入れられてた立場を
メタ認知して捉えておられるのがすごい。
なぜかといえば、世の中の大半の人は、僕が大切だと思っているテーマにほとんど興味を持っていないからです。
いやほんと、そうなんです。
身近にガン患者がいるようになるまでは、
恥ずかしながら、無関心だった。
そんな「自分ごとではない人たち」に対して、必死の形棚で「北風」的な伝え方をしても、「なんだか怖いなぁ」とか「もう勘弁してくださいよ」となってしまい、さらに顔を背けられかねません。
北風と太陽の絵本の
北風の顔はこわい。
眉間に皺が寄っている。
「太陽」のアプローチでは、たくさんの人に情報が伝わっていくだけではなくて、そのテーマに興味を持っていなかった人たちまでもがどんどん集まってきて、ある瞬間から突然大きなうねりが世の中に生まれたりもします。これは、僕にとって大きな発見でした。
上着を脱がそうとしている対象だけでなく、
脱がそうとしていない人まで脱ぎ始めた。
北風はごく一部のエリアにしか届かないけど、
太陽は、地球のすべて。植物、動物のすべてに
届くんだ。
届くだけでなく、生かす。動かす。
僕は、どうせ革命をするなら、みんなで手を取り合って、にこにこ、へらへら、わっははと、笑いながら革命をしたいと思います。
誰もが思わず触れてみたくなるような企画。それに触れると、笑えない社会課題の見え方がぐるりと変わって、みんなが少しだけ自分ごととして考えられるようになる、そんな企画。なんだか理想的な気がしますよね。
笑えない社会課題って、ある。
あるし、だれもまだ言葉にしてないことが
ありそうだ。
じゃあ、どうすればいいのか
「現実の中にある、理想をつかむ」。
本文中にも登場しますが、これは僕が「それって不謹慎じゃない?」問題を考える時、大切にしている感覚です。
理想の中にある現実ではないんだ。
理想の中に現実を見るんではないんだ。
理想が先立つのではなく、現実が先。
現実の中に理想を探すという発想、
そこにこそ必要なことは、笑い。笑顔
笑に変えられるのは、理想。
きょうもお付き合いくださり
ありがとうございます。
笑う、笑わせる、ではなく、
笑える。
笑得る。
ここに優しさと強さがあります。