「事情」と向き合っていく
人間とつきあうのも、
相手の立場に立って考えるのも、
大小あれどあらゆる仕事で共通しそうなのに、
演出家という仕事が他と違うことが
あるとしたら、
人そのものが「商品」だからなんでしょうか。
作家なら作品。
会社員なら、モノやサービス。
写真家なら写真。
コト消費と呼ばれるような、
体験を売るイベントなどもまた人そのもの、
というわけではない。
「人と物語」を
買ってもらうにはとことん人と向き合わないと
でてこないからなのかな。
道徳や優しさに陥りがちなのが、
人と仕事をして何か別のモノを作り出す時。
愛するとか好きになるという情は、
人に対してではなく、「演劇そのもの」に
注がれてこそ、なのかな。
事情ってありますね。
私にもあるし、仕事をしていく上で、
特に最近はその事情への「配慮」が求められる
だけど、配慮どころじゃないんだろうな。
遠慮なんてしてられない世界で、
むしろ、しっかりと「考慮」して、
その人の魅力や、AさんとBさんを掛け合わせた魅力を引き出す。
事情でさえも、演劇にあらわれるということ
なのかな。
会社員の仕事では、
おうおうにして同情、思いやり、慈しみが
大切です。
大切だというバイアスなのかな。
情ではなく、能力。
一緒に働くメンバーに、
感情移入しない。って難しい!
たぶん、移入してもいいんだろうけど、
移入しすぎないことと、移入していることに
気づくことと、移入したうえできちんと、
離れて俯瞰できることの方が大切なのか。
考慮する能力。
モノやコトを売るにおいても、
「共感が大事」と言われて久しいけれど、
共感ではなく、事情をあたまで考えられて
設計されているかどうか。
会社員の仕事で言えば、
その人の経歴、キャリア、価値観、
家庭、環境、住まいや暮らし。
プライバシーとも言われる部分にも
踏み込むような、
メンバーの事情と、同時に、
お客様の事情を知り尽くした上で、
「演劇」のような
パフォーマンスを買ってもらう。
これって自分にこそいえることで、
自分が自分の事情をちゃんとわかってる。
ことが、
生きること、暮らすコト、
書くことのパフォーマンスを変えるものに
なるのかもしれない。
今日もお付き合いくださりありがとう
ございます。
事情ってなんだか、ともすると
マイナスイメージを醸し出すけど、
プラスにとらえていいんだな、
特に自分に対しては、と思います。
迷ったらシンデレラを思い出す。
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