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書きものは生きもの


頭の中に生まれた考えを言語化し、それを商品として提供するというのが僕の仕事です。商品パッケージとしては大学院での講義、メディアでの取材、講演やセミナー、企業でのアドバイザリーなどさまざまな形があるのですが、主戦場は書きものです。

スカイマーク機関誌
「楠木建の頭の中。
第45回 書籍化」
楠木建 


「言語化し、商品として提供する」
「主戦場は書きもの」

楠木建さんと並列して書くのは気がひけますが
フレームとしてお借りすると、
会社員という仕事 兼note➕小説・エッセイ
の私の仕事はなんだろう?
と考えてみます。

会社員としての仕事は、
「自社の商品・サービスの売り上げを上げる
ための企画やチームマネジメント」です。
「主戦場は資料作りとプレゼンと1on1」。

noteや小説・エッセイはまだ仕事の域に遠い
ですが、
「言語化し、新たな気づきや安心を提供する」
「主戦場は、書きもの」かな。

というふうに考えると、
「文字や話し言葉」は全てに通じ、
それを「言語化する」という生業は普遍的で、
いつまでもどこまでも価値あるものだなと
再発見しました。

あしたでnoteまる一年、続けてきた、
続けてこられた意味はあるなあ。

僕の書くものには大きく分けて3つの分野があります。本業の「戦略論」と副業の「書評」と「それ以外」。このスカイマークの機内誌での連載は「それ以外」に該当します。
書くという仕事を30年以上も続けていると、「それ以外」の分野でもいまだに書籍化されてない文章の在庫が相当に溜まっています。今お読みいただいている「楠木建の頭の中」をはじめ、新聞や雑誌、各種オンラインメディアに寄稿した文章の中から選んだものをまとめて書籍化しました。『楠木建の頭の中 仕事と生活についての雑記」(日本経済新聞出版)という本です。

同上

「書くものを使い分ける」のも面白いです。
どこで書くか、だれに書くか、なにを書くか、なんのために書くか?が、
どう書くか?の前にあるんだなあと。

私の一年のnoteという書きものをあえて3つに分けるとすると
「自分」論と、
「生き方」論と、
「その他」かもしれません。

書き続けたことで、いかに自分の思考が、
あるものやコトにフォーカスしているかが
よくわかりました。
だいたい同じこと書いてるんですよね笑
でもそれが、思考の通底であることを、
自分が知れたのはこの先人生の折り返しに
おいてとても意義あるものと感じます。
どんな投稿がよく読まれて、拡散されて、
コメントいただけるのか?ということも、
よくわかります。本当ありがたいことです。
一年で気づいたそれは、
・深い自己開示
・身近な生活起点
・書くことや生きること
でした。


考えて書くという行為がとにかくスキなのですが、向こうから注文が来なければメディアでは書けません。そこで、2019年に有料の個人ブログを始めました。ここで日々の考えごとを文章にし、特定少数の購読者に向けた発言を続けています。これまでは一般に公開されてなかった個人ブログの記事も本書には数多く収録されています。

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書くという行為がスキ、であることは
書くまで気づきませんでした。
特定少数に向けて書く、ということは
したことがないので2025年は挑戦したいです。
2024年は、書くことで何を書きたいか?は
見えてきたので、
2025年は、誰に?なんのために?と、
いつ書くか?をより鮮明にしていきたいです。


話題が多岐に亘るので、「生活編」「仕事編」「社会編」の3部構成にしました。とは言え、日々の雑記です。くだらない話も多々あります。それでも本書に収めたすべての文章には一つの共通点があります。自分が面白いと思ったこと(だけ)を書いているということです。これが書く仕事をする上での僕の金科玉条、原理原則です。

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生活、仕事、社会という3部構成も面白いです

雑記も面白いです。
雑談、雑事、雑記の中にこそ
イノベーティブなヒントがありそうです。

なによりも、
「自分が面白いと思うこと」を書く。
これが一番。「だけ」なのがいいですね。

私の原理原則は、
「自分の心が少しでも動いたものを書く」
「見たものをそのまま書かない」

自分で面白ければ人にも伝えたくなります。人に伝えるためには頭の中にある思考を言語化しなければなりません。ここに僕の最大の書く動機があります。自分が面白いと思ったことを他者と共有し、その人にも面白いと思ってもらう。僕にとってこれほど嬉しいことはありません。

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「伝えたくなるものを探す」
「伝えたら喜んでもらえた」
というのが書く楽しみ生きる喜び
かもしれません。

この本に限って言えば、どこから読み始めても、どういう順番で読んでくださってても結構です。暇つぶしのお供として本書を活用してくだれば本望です。その時々の考えを思いのままに書いた雑記ではありますが、というか雑記であるだけに、どれをとっても僕がこれまで頭の中で練り上げてきた価値基準が通底しています。

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練り上げてきた価値基準を持てるくらいに、
それがあらゆるところに通底するくらいに、
書き続けていきたい。

こうして読んでいくと、
書きものは生きもののようです。


競争がある中で、なぜある企業は他社を上回る利益を持続的に生み出せているのか。その背後にある論理はなにか。競争戦略の分野で仕事をしている僕は、ずっとこの問題を考え続けてきました。この大きな問いを前にして、僕が書き連ねてきた大量の原積を取捨選択し一冊にまとめたものが「楠木建の頭の中戦略と経営についての論考」です。

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大きければ大きい問いほど、
探求したくなります。
ふだんは小さな問いに終始しがちです。

私は自分で経営をしたことはありません。これからもするつもりはありません。この仕事を始めて30年以上、考えては書くという作業に明け暮れてきました。
あっさり言って、口先だけの仕事です。それでも、口舌の徒なりに大切にしてきたことがあります。
現実の企業にあって経営を担う人々に少しでも有用な論理ーいろいろあるけど、ようするにこういうことーを提供したい。

同上

いろいろあるけど、ようするにこういうことー
の視点や発想がいつも楠木さんが面白いのは、
そういうお立場で、その一点で役立てようと
追求していかれているからなんだなあと。


実業に従事していない僕には考える時間がたっぷりとあります。日々の仕事で忙しく、ゆっくりと考える時間がない経営者に成り代わって本質的な論理を考える-思考代行業こそが自分の仕事だと心得ています。
僕なりの考えが読者の方々の日々の生活や仕事、世の中への構えにとって何がしかの足しになれば、著者として望外の喜びです。

同上

「思考代行業」
面白い!
これは会社員としての仕事、
またnoteや小説・エッセイでも
発想していきたいし、そんな生業を
イメージして書くと書かれるものも
変わりそうで楽しみです。

今日もお付き合いくださり
ありがとうございます

今日の本心
考えすぎて行動できないのが弱みだけど
考えるのはやっぱり楽しい

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