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『好きな人』

僕は普通の県立高校の2年A組竹中優斗17歳。同じクラスの斉藤まなみが大好きである。

斉藤に何かしら理由をつけて毎日電話をしている。勉強を教えてくれ、好きなアニメを教えてくれ、後輩の愚痴を聞いてくれ、など。

そして今日は決意を決めて好きな人を聞こうと思う。

竹中「もしもし!ごめん今いい?

斉藤「はーい!大丈夫だよー、どうしたの?

竹中「好きな人いるの?

斉藤「え!?いきなりだね!!

確かにと思った。気持ちが前に出過ぎて唐突に言ってしまった。

竹中「いや、その、そういえば恋話ってした事ないなーと思って

斉藤「まぁ確かに…いるよ。

体の力が一気に抜けた。聞かなきゃよかった。

竹中「だれ?」

聞きたくもないのに聞いてしまう。

斉藤「やだよー

竹中「同じ学年?

斉藤「ま、まぁ

最悪だ。先輩ならまだしも、同じ学年に。

竹中「何組?

やめろ自分。聞いて落ち込むだけだ。そう思いながら聞いてしまう。

斉藤「言わない

竹中「頼む

斉藤「なんでよ?

竹中「知りたいんだ、斉藤が誰のことを好きになったのか、

斉藤「だからなんで!?

竹中「好きな人の好きな人はどんなやつかってこと!

勢い余って伝えてしまった。最悪な告白だ。そこからしばらく沈黙になる。

斉藤「…A組

同じクラスだった。15人まで絞られている。
そこで微かな光が見えた。なぜなら自分も入ってるからだ。

竹中「イニシャルは?苗字の頭文字!

斉藤「…T」

胸がドキドキしてきた。クラスにTは自分と竹原しかいないのだ。そして竹原と斉藤は、あまり喋ってる所を見た事がない。
俺は嬉しすぎて涙が出そうになりながら聞いた

竹中「それ、俺?

斉藤「竹原くん。

絶望というものにぶん殴られた気分だった。
なんでかは聞かなかった。カッコ悪いから。
小さい声で応援した。

竹中「頑張れよ!斉藤ならいけるよ!

斉藤「ぷぷ!

斉藤が急に笑い出した。

竹中「なになに?

斉藤「いや、なんとなく!ふふふ」

斉藤は只々笑っただけだった。
そこから僕は斉藤とは連絡を取らなくなった。
時間が経った時に、ちゃんと告白しとけば良かったと後悔をした。
卒業式の時、ちゃんと伝えようと思い告白した。
斉藤は竹原と付き合っていた。
大学に行ったらちゃんと
告白しようと心に決めた。
教えてくれてありがとうハイスクールラブ。

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