一人でブリッジを遊べるレトロおもちゃ「Bridge for One」
コントラクトブリッジは1925年に登場し、欧米を中心に20世紀を通じて流行したカードゲームです。日本でいうトランプカードを使ったゲームですが、プレイヤーが4人必要なため、「一人でいるときもブリッジがしたい!」という熱心なプレイヤーのために、一人でもブリッジが遊べるよう様々なガジェットやおもちゃが開発され、販売されていました。
当方のnoteでは過去に「オートブリッジ」というガジェットをご紹介したことがありますが、今回はそれとは別のアイテムをご紹介します。
今回紹介するのは「Bridge for One」という一人でブリッジを遊ぶためのツールセットです。ネーミングがそのままですね。
これはかつて存在した「Milton Bradley」という玩具メーカーから発売された商品です。商品パッケージの印字を見るに、1967年に発売されたもののようです。
パッケージの箱には商品名のほか、商品と並んで謎の紳士の写真が印刷されていますが、この人物は「ミスター・ブリッジ」として名高いアメリカのブリッジプレイヤー、チャールズ・ゴーレンです。この商品はゴーレンによる監修がなされており、付属しているブリッジの遊び方の冊子もゴーレンが指導していたブリッジのメソッドに準じたものとなっています。
この商品が発売された当時、ゴーレンは新聞や雑誌、テレビに引っ張りだこの超人気有名人で、これ以外にもゴーレンが監修し、ゴーレンの顔写真が印刷されたブリッジの商品は多数販売されていました。(この辺りのことは過去記事でも書いたことがあります。)
続いて内容物を見てみましょう。入っているのはトランプカード1デッキ、スコアパッド1冊、ゴーレン・ポイント・カウント・システムのカードとゴーレンの顔写真カード、遊び方の冊子が2冊、そして、大きなゲームマット(冊子にはプレイングシートと書かれています。ビニール製)1枚です。
注目すべきは特製のトランプカードでしょう。カードの裏面を見ると、なんと、カードのスート(マーク)が分かるように印刷されているのです。これは一体どういうことでしょうか。
では、遊び方を見てみましょう。2冊ある冊子のうちの一つは、基本的なコントラクトブリッジの遊び方を説明するものです。もう一冊が、このツールセットの使い方・遊び方を説明するものとなっています。
これによると、付属のカードを通常のブリッジのゲームのように4人に13枚ずつ裏向きに配り、カードを裏にしたまま付属のゲームマットに並べます。
カードを裏にしたまま、といっても、スートの種類は裏面に印刷されているので、表面を見なくてもスートごとに手札を並べることができるわけですね。
並べ終わったら、この状態のまま、プレイヤーは頭の中でコントラクト(切り札と勝利数)を決めます。その後、ダミーの手札を表に返し、カードプレイを始めます。
ここで驚きなのは、オポーネント(EastとWest)の手札は裏向きのままゲームを進行するということです。オポーネントの番が来たら、スートフォローのルールに従い、裏向きに並べたカードの下側から1枚ずつカードを出していきます。
冊子が英語なので当方の読み間違いかと思いましたが、パッケージの写真でもオポーネントのカードは裏向きになっていました。
実際に一人でゲームを行ってみましたが、オポーネントのカードが裏向きのままでもゲームの進行には問題なく、一人でスマホアプリのブリッジをしているときのようにゲームができたことには驚きました。
正直「一人でカードを広げて一体何をやっているんだろう…」という気持ちにならないでもないのですが、スマホやパソコンが使えない時や気分転換に遊んでみるのはいいかもしれません。
というわけで、ブリッジのレトロおもちゃ「Bridge for One」のご紹介でしたー。これと同じものを入手するのは大変かもしれませんが、市販のトランプカードの裏面にスートのマークのシールを貼れば、「Bridge for One」と同じゲームの遊び方ができますので、興味のある方はやってみてくださいー。ではー。