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10万人が同時にブリッジをプレイする?! コントラクトブリッジの「世界同時大会」

コントラクトブリッジの世界大会の中でもユニークな大会があります。それは「世界同時大会(The World Wide Bridge Contest)」です。これは、世界中のブリッジプレイヤーが同じ日に同じハンド(手札)でゲームをするという大会です。現在は行われていないようですが、とても面白い取り組みだと思いましたのでご紹介しようと思います。
記事執筆にあたっては世界ブリッジ連合(WBF)のウェブページの内容を参照して記述しておりますので、そちらもご覧ください。(また、『The Official ACBL Encyclopedia of Bridge』にも「The World Wide Bridge Contest」の項があり参照しています。)

この大会は1986年に第一回大会が行われました。参加するのはWBFに加盟する各国のブリッジクラブ等に所属するブリッジプレイヤーです。参加者は大会当日に決められたハンドでゲームをします。そして、ゲーム結果を集計して大会本部に送ります。第一回大会では80カ国から参加があったそう。

※なぜ「決められたハンド(手札)」でゲームをするのか?
一般的にトランプカードで遊ぶ時はカードをシャッフルしてランダムに手札が配られますが、ブリッジでは4人分の手札の組み合わせをあらかじめ決めておいて、複数のテーブルで同じ手札のゲームを行うことがあります。これは「手札の複製」という意味の「デュプリケート」と呼ばれる遊び方です。この遊び方では同じ手札でプレイした人同士でゲーム結果(=腕前)を比べることができます。そのため、ブリッジの競技会ではもっぱらこの形式でゲームが行われています。

この取り組みは翌年以降も続き、毎年行われるようになりました。また、翌年の1987年には85カ国から75000人もの参加があり、「規模が最も大きいブリッジの世界大会」としてギネスブックにも記録されることになりました。現在ギネスブックに記録されている最高記録は1992年大会の102000人です。(ギネスブックのページはこちら

ちなみに、この大会には当初スポンサーがついていました。1986年の第一回大会から1994年までは日本の電機メーカー「セイコーエプソン」がスポンサーをしており、ブリッジプレイヤーの間では通称「the Epson Pairs」と呼ばれていました。

その後も世界同時大会は年に一度のイベントとして世界中のブリッジプレイヤーに楽しまれていましたが、2019年大会を最後に休止となっています。(コロナの影響でしょうか…?)

インターネットで世界中のブリッジプレイヤーがいつでもどこにいても繋がれる時代に「みんなで同時に同じゲームをしよう!」なんていうのも時代遅れなのかもしれませんが、世界中のブリッジプレイヤーが一緒に楽しめるイベントも他にないと思いますので、いつかまた世界同時大会が復活することを期待したいですねーではー。


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