タイルけんけんの思い出-空と海と桟橋のコラージュ
突然の在宅勤務で週の半分をアパートで過ごすことになり、部屋に何か飾りたいと思って作ってみた。小冊子の写真を切り貼りしたタイルコラージュ。空と海面の青色と桟橋の茶色で、定番のアズーロ・エ・マローネの配色。
特別なことも魅力的であることもないけれど、「自分の表現」=「自分の一部」だから、作った本人にとっては何らかの発想をくれる特別な存在なのだ。
何の計画もなく左から右へ感覚で貼っていった一つひとつのタイル。出来上がった作品の色のリズムを指で一つひとつ押さえながら、小学生のころの思い出が浮かんできた。
学校からの帰り道、舗装のために2色のタイルで敷き詰められている広場で、同じ色のところだけ踏むように、けんけんしながら帰った。横断歩道を白いところだけに足がつくように跳ねながら渡り、狭い縁石の上を歩きたかった気持ち(危ないのでやめてね)。
ひねくれた子供だったけど、今思えばかわいいところあるじゃん…なんて、クスッと笑えてくる。
文章、演劇、映像、写真、音楽、スピーチ、絵、造形など、広く芸術は観る人の解釈という形で新たに生まれ変わり、成長するものだと思う。その過程で思いに変化が生まれ、行動が変わることもある。そんな風に心に響き続ける作品は、きっと素晴らしい作品だろう。
あなたが毎日を過ごす部屋の片隅にも、アートがありますように。