「魅力的な提案」が受け入れられないのはなぜか、「良い商品」が必ずしも売れないのはなぜか、4つの視点から丁寧に解説された良書を読んだ。
魅力を伝える「燃料」を投下するよりも「抵抗」をなくすことを考えようということ、その抵抗を4つの視点で解説されている。
こんなに素晴らしい商品です、画期的な技術です、そういうものを重ねることでは商品の魅力を伝えることはできないということを様々な事例やデータで解説してくれる。
内容のあまりにも簡単な要約
1.惰性とその克服
人は変化よりも不変を、未知より既知を好むため、何度も繰り返したり小さく始めたりなどして「惰性」を克服する。
2.労力とその克服
最小努力で成果を上げたいので、苦労や茫漠感を和らげるロードマップを作成して「労力」を克服する。
3.感情とその克服
惰性や労力よりも、合理性よりも「感情」で人が動かないことがある。シェルターに入りたがらない人を注意深く観察して、ペット同伴可にしたところ即日入居した例などが挙げられた。この「感情」面の抵抗は見えづらい傾向にある。例がより具体的なのはそのためか。
4.心理的反発とその克服
変化させられたり、自由を奪われたり、説得されていると感じると人は「心理的反発」を感じる。この心理的反発を克服するには自己説得などが有効。
優秀な人が必ずしも報われるわけではない事実
私がこの本でもう一つ衝撃を受けたのが「感情」の項目に突如現れたこのページ。組織に関する私のもやもやした感情を、見事にクリアにしてくれた。
レポート引用元も明記されているので機会があったら読んでみたい。
組織のために最善を、と考え、それを愚直に実行することは危険なことなのかもしれない。ということを理解できた一節だった。