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おうち時間にも!Singin' in the rainで秋と冬をご機嫌に乗り切る

10月に入り、すっかり秋めいてきたロンドン。いつもの店でテイクアウェイするラテが、最近はより一層のどに染みる。

肌寒い日の温かい飲み物は、なんでこんなに心を落ち着かせるんだろう。

夏が終り、特に秋へと移り変わる季節の変わり目が好きだ。
あれほど眩しかった太陽が去って、一気に木枯らしが吹き始める。淡い、くすみ色にかわる季節。だけど心はきりっとした秋晴れで。

すでに芝生にはたくさんのリスたちが冬を乗り切るため木の実を頬張り肥えてきているし、クリスマスに思い入れの強いこの国は、既に9月時点でデパートにクリスマス商品が並ぶ。

いくらなんでも早すぎるでしょ。と思いつつ、やっぱりクリスマス特有の煌めきはいくつになってもワクワクする。

先日、ミュージカル「Singin' in the rain」を見に行った。


多くの人が一度は耳にしたことがあるだろう、あの名曲。
アダム・クーパー演じるドン(ジーン・ケリー)役の、雨の中を踊るシーンを直接見てみたかったのだ。

大学生の時、はっきりとした講義名は忘れたけど映画論のような授業をとって、そのとき初めてみた「雨に唄えば」。

軽やかなステップとドタドタの降りしきる雨の中で歌い踊るジーン・ケリーは、私の心の中で鮮明に鮮やかな彩りを持って、記憶に残った。

「トゥルトゥットゥ、トゥルトゥルトゥットゥ♫」

好きな人ができたら、雨だって嬉しくて、土砂降りの中でも踊ってしまうほど楽しい気分になるのだ。

劇中も、前方の客席の人が濡れてしまうほど水をたっぷりと使った演出と、(なんと一回の公演で14トンの水を使うらしい)傘をアイテムにした息の揃ったダンス、そしてなによりアダム・クーパーのタップダンスがものすごく格好良くて、何度も拍手を送った。

観客の方もみんなそれぞれアクティブで、思わず口ずさむおじいちゃんや、首を横に振りながらリズムにのる親子など、見ていて微笑ましくなった。
それぞれ思い入れのある、クラシックな作品ということが伝わってくる。

そう、雨だって気分次第。
これから雨が多くなるロンドンだけど、気分が落ち込むことがあったらこの曲を聞いて乗り切りたい。

ときにはカッパを着て、娘と一緒に雨に打たれるのもいいかもしれない。

雨の多いイギリスや日本に住む人こそ、この作品は見てほしいなと思った。

ちなみにアダム・クーパー演じるこの作品は2022年年明けに渋谷の東急シアターオーブで、約一ヶ月ほど開演される。
英国ロイヤル・バレエ団のスター、アダムが来日して「雨に唄えば」を見れるのは今回がラストチャンスとも言われている。

観劇したら、きっと雨がもっと好きになっているはずだ。

まずは映画からでも、おうち時間にぜひ。

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