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カミュなんて知らない

2007年頃書いた映画感想文。


「カミュなんて知らない」

大学の映画撮影集団を扱った作品。その大学生たちが本当にいそうな感じの人たち。ああ、大学の映画好きって、こんな連中いるよなあって感じの。

その中で、ヒロイン役の前田愛の存在感が一際目立ちます。リアルな大学生な感じの素晴らしい演技力。サークルの管理者的な強い面を見せる一方、精神的に誰かに頼りたくなる弱い面も見せて、ああ、嫁にしたい、と思います。

そのヒロイン関連のシーンで一番よかったのが、恋人に、他の男とキスしたことを告白するシーン。実際には3人の男とキスしたのに2人の男とキスしたと言うあたり、彼女の中の悪女的な計算高さが垣間見れて、ああ、嫁にしたい、と思います。

気になったのが音楽。
ほぼ全てのシーンが大学内なので、そこらへん中で楽器の練習をしていても違和感がありません。その楽器の練習がBGMとなっているのです。サスペンスな感じをかもしだすよいBGMであります。

ラスト10分間(ED含む)の演出は凄いの一言。
(映画内映画という意味で)フィクションであるとわかっているのに、ノンフィクションなのではないかと疑ってしまいます。それほどリアルな殺人の演技でありました。
エンドロールも凄くいいね。
はっきり言ってラスト10分間がこの映画の全てかもしれません。

正直、映画をたくさん知っていないとわかりにくいシーンがあります。トリュフォーとかレオスカラックスとか仏映画の話をされても・・・
ちなみに「カミュ」ってのは、「太陽がまぶしいから殺した」でおなじみ、「異邦人」の「カミュ」であります。


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