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映画感想文「神は見返りを求める」

神は見返りを求める
2022年6月公開
監督 脚本 吉田恵輔
出演 ムロツヨシ 岸井ゆきの


人に優しい主人公「田母神」は合コンで出会った底辺YouTuber女の手伝いをすることになる。田母神が手伝っても再生回数は伸びないが2人の仲は深まっていく。しかし色々あって再生数が伸びて底辺YouTuberからインフルエンサーへと変わっていった女との関係は以前と変わり、恩を仇で返す女となったことで田母神は見返りを求めるようになる。
といったお話。

冒頭のシーンから、あーきっと途中からそういう風な突撃系YouTuberになったりするのかなーと思っていたらそうじゃなかった。そうきたかという感じだった。

吉田恵輔作品に共通する、ちょっといやーな感じの、なんというか生っぽいというか、「えっ?」という問いに「えっ?」で返すような人間関係の嫌な部分が本作でも見られて、吉田恵輔作品を好きな人にとってはまた見られてよかったぜ、という気持ちになると思う。

主人公役ムロツヨシの豹変ぶり、底辺YouTuber役の岸井ゆきのの豹変ぶりがとてつもなく良く、2人とも見ていていろんな意味で気持ちが良かった。いや悪かったと言うべきか。そして薄っぺらい男役の若葉竜也の薄っぺらさもよかった。この人もいろんな役ができるいい役者だと思う。

笑っちゃいけないのに思わず笑ってしまうシーンがあった。ネットでの「炎上」を物理的に表現したシーン、めっちゃよかった。なるほどこうきたか。因果応報。

神から底辺になった男と底辺から神になった女、でもそれは言葉だけのことであって根本は一緒なのだ、と最後のダンスを見ながら非常に微妙な感情が湧き出てきた。


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