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青春は一回かぎり(文学とは何か⑨)

加藤周一氏の『文学とは何か』(現在Kindle Unlimited読み放題で読める)に、こんなことが書かれてあった。

青春は反復することができない。人生はやりなおすことができない、しかし実はわれわれの人生の一日といえどもやりなおすことができない、ふたたび同じ一日のあり得ない一回かぎりのものです。そのような一日の体験は、日常生活に役だたないということそのことによって貴重であり、効用とははなれた一つの価値を代表します。

加藤周一『文学とは何か』kindle位置253

「あの頃」(青春時代)については、保坂氏を引いて書いたことがあるが、しかし、文学的であることによって、「あの頃」を越えるようなことを考えていかなければならない。

文学とは何か?
ふたたびやりなおすことのない一瞬を刻み込むもの、という定義もできよう。


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