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文学は心を扱う①
私は、高度経済成長の終焉から、旧来の家族制度の崩壊、豊かさの達成の中で孤独を感じたりしながら、子ども時代を過ごしてきた。
村上龍氏が、『寂しい国の殺人』(1998)という著作を書かれている。
平和で豊かになった国でなぜか14歳の少年が殺人事件を起こしたり、女子高生が売春したりする。
そんな社会の中で、何が問題なのかを目を凝らして見ようとしているような著作だ。
私はこの殺人事件を起こした14歳の少年や、その後バスジャックをした17歳の少年と同い年だ。
当時、教師たちは狂ったように生徒アンケートや教育相談を行っていた。
私は何か特別な世代なのだろうか、と思っていた。
あとになって思うに、常に新しい子らは、不可解で、奇妙で、大人たちの研究対象だった。